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徐々に奇妙なラブコメ

作者: ODABUTU

「俺と、付き合ってくれ!」


この話主人公、山崎士郎は、校舎裏で告白していた。


「…いやよ。」


告白相手である士郎の幼馴染、久能愛羅は少し考えた後、そういった。


「!…どうしてだ?」


「あんたみたいなチンケなヤンキーと付き合ったっていい事ないもの。私と付き合いたいのなら…」


「わかった。この辺りシメてトップになれば、俺と付き合ってくれるんだな?」


「いや、ちが…」


「待っていろ愛羅。1週間でこの辺りのヤンキー全員ぶちのめしてやる。」


「ちょっと、待っ…」


士郎は熱くなると中途半端に話を聞かなくなる。そのため、愛羅の話を聞かずそのままどっかにいってしまう。

「私はただ…士郎に怪我して欲しくない…士郎にヤンキーをやめてほしいだけなのに…どうして素直に言えないの…私の馬鹿…!」

「おい、聞いたか山崎のやつ隣の坂高の総長潰したてよ」

「マジか、あんなクマみたいなやつに人が勝てるのかよ」

そんな噂が翌日には広がっていた

「士郎のやつ大丈夫かな」

「大丈夫だよ、あいつ超強いじゃんクマにも勝てるて」

愛羅を慰めているのは親友の桜井律

律と愛羅は中学校からの中である

「おう、愛羅聞いたか昨日あの後直ぐに坂高のクマ…」

「バカじゃないのそんなんじゃあいつまでたっても」

「落ち着いて愛羅、お前もなんで愛羅がこんなに怒ってんのか考えたら」

士郎は困ったように席に着いて行った

直後ッ!士郎は驚くべき光景を目撃したッ!

「愛羅ッ!律ッ!あれは!矢だ!矢が2人に向かって飛んでいっているんだッ!」

その矢は2人に吸い込まれていく様に直線を描きながら飛んでいるッ!

「このままでは2人に矢が刺さってしまうッ!あの矢を何とかして止めなければッ!しかし、ここから2人がいる所まで約5mッ!今から俺が急いで立ち上がり走り出したとしても決して届かないッ!どうすればッ!」


士郎のその一瞬の迷いが運命を分けたッ!真っ直ぐに飛ぶ矢は、まず愛羅の肩を貫通し、直後あり得ない軌道を描き律の肩をも貫いたのだッ!

倒れる2人、駆け寄る士郎、そこには先程の不思議な矢の代わりに不気味な気配のみが現れていたのだった…


_____________________________________________


倒れた2人を保健室に運んだ士郎は多くの疑問に頭を抱えていた

「あの矢ッ!突如現れ突如にして消えたあの不思議な矢ッ!そして何より貫かれたハズの2人の肩には穴どころかアザすら残っていないッ!」

数時間後2人は目覚め下校するのだった…


_____________________________________________


「律もワタシもいきなり倒れるなんでビックリしたねー」

「そうね」

2人が帰路についていると向かい側から2人の男が歩いてきた

「見てあの2人、片方は普通の服着てるけどもう片方は何かしら変な服に仮面?を着けてるわ」

「そうね。あっ!ボールが飛んできたわ!しかも、あの変な格好をした男の方に向かっているわッ!」

そして、ボールが男にぶつかる瞬間ッ!ボールは消えたのだったッ!

「ありえないッ!ボールがッ!ボールが消えたわッ!」

そう律が声を上げた瞬間

「おいッ!そこの女2人ッ!今のが見えたのかッ!今のを見たからには逃すことはできねぇなぁ!くらえッ!ザ・ウィークエンドォ!」

普通格好の男が声を上げた瞬間おかしな格好の方が瞬間に移動してきたのだッ!そして、拳を振り愛羅が驚いて前に出した鞄に当たった瞬間、鞄が何処かへと消えてしまった

「何ッ!これはッ!」

「お前らこれが見えるのにスタンドを知らないのか?スタンドとは『持ち主の傍に出現してさまざまな超常的能力を発揮し、他人を攻撃したり持ち主を守ったりする守護霊のような存在』だッ!これが見えるのならお前らも出せるはずだ!スタンドをッ!」

瞬間ッ!愛羅と律の脳内に声が響くッ!

《マスター、ワタシです。貴女"方"のスタンドです。近くに他のスタンドを感じたため至急目覚めました。ワタシは貴女方を守るためにのみ動きます。どうぞご命令を。》

「なに?!訳わかんない!守るってアナタに何が出来るっていうの?」

《マスター律。お答えします。ワタシは触れた物を任意で粉々に粉砕できます。しますか?》

「なんでも良いわッ!助けてッ!」

《了解。そして、最後にワタシの名前を…ワタシの名前はヘイト・ザ・アザー・サイドッ!マスターに牙を剥く下賤の者に鉄鎚を下す者ッ!そーりゃ!そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃぁ!》

律と愛羅の2人のスタンドの攻撃により、2人を襲おうとした男2人は粉々に砕け散った。

「何…これ?」


愛羅がその場にへたり込む。当然だろう。目の前で人が死んだのだ。それも自分達がこのスタンドという化け物に命令をしたから起こった結果である。


「愛羅…気にしなくていいよ。」


愛羅に対して、律は冷静だ。愛羅の姿を見て、かえって落ち着いたのだろう。


「命令したのは私だから。愛羅は何も悪くない。それに、このスタンドに命令してなかったら、死んでいたのは私達の方だった。」


「けど…でも…!」


「それに愛羅、この力があれば、士郎を守れると思わない?」


「士郎を…?確かに…!」


愛羅はかなりの士郎馬鹿だった。そして律もそれを熟知しているため、愛羅をあっさり立ち直らせることができた。


「ところで、その士郎は…まさか!?」


「どうしたの愛羅?」


「行かないと…士郎が危ない!!」


__________________________________


「…待っていたよ。山崎士郎。」


「てめえが…あいつらに矢を撃った犯人か!!」


士郎は怒っていた。2人に得体の知れないことをした犯人と…その時に何もできなかった自分自身に。


「その通り。一応自己紹介しようか。僕はフェルムーン。この世界の救済者さ。」


「何わけわかんないこと言ってんだよ…!」


「何もわからなくていい。君はここで…」


その瞬間、フェルムーンは士郎に一瞬で距離を詰める。


「死ぬことになるんだから。」


フェルムーンは胸にあった短剣を士郎に向けて振る。士郎はかろうじて避ける。


「危ねぇな…この!」


士郎も負けじと右ストレートで返すが、あっさり避けられる。


「君が死ねば、きっとあの2人は絶望の縁に叩き落とされる。そして、ヘイト・ザ・アザー・サイドは暴走し、世界を粉々にすることができる。」


「なんだよそれ…ふざけんじゃねえよ!」


「そうだ。僕は至って真剣さ。」


ドスっ


「が…!」


何もないところから突然刃が現れ、士郎の腹を貫く。恐らくフェルムーンのスタンドによるものだろう。


「グハッ…ぐぅ…。」


堪らず、士郎はその場に倒れる。


(俺…ここで死ぬのか…?)


頭は妙に動くのに、体が言うことを聞かない。


「ふっ…チェックメイトだ。」


(ああ…死ぬ前に一度でいいから…)


思っていたことがつい、言葉に漏れ出す。


「愛羅とキス…したかったな。」

「君が愛羅くんと添い遂げることはでいないよ」

フェルムーンは持っていた短剣で士郎の心臓を貫いた

「士郎ぉぉぉ」

その時ちょうど愛羅が到着した

「お前が‥お前がこれをやったのか」

愛羅は激怒した

その瞬間フェルムーンの左腕が飛んだ

「なぁ」

あまりの事にフェルムーンと愛羅は驚いた

フェルムーンは膝をついた

「落ち着いて私がやったの。今なら士郎を連れて逃げられる」

腕を飛ばしたのは律だった

「待て!うぅ」

フェルムーンは痛みで追いかけることはできなかった


「士郎の様子はどう?」

「心臓が止まてる。やだやだやだよ」

「落ち着いて、ここで私たちが泣いても仕方いよ」

愛羅は士郎に張り付いたまま泣いていた

そして、2時間が経つ立ち上がった

「アイツを許さない絶対許さない」

悲しいは憎しへと変わった

「律、どうやってアイツの腕を飛ばしたの」

「多分あれが私のスタンドの真の力」

「私の力はもう一つの制止した世界に移動しその世界で行った出来事を反映することが出来るみたい」

「何それ、どやってやるの」

「分からない、でも覚醒する瞬間が来る」

「私は、士郎が倒れているのを見て逃げたい愛羅を守らなきゃて思ったらどうしればいいのかが分かったの」

ドッサ

律が突然倒れた

「そうだったのかぁ」

フェルムーンは薄ら笑いを浮かべ現れた

「お前、律まで」

「愛羅くん、君にでは僕には追いつけい」

「律ッ!」

愛羅は律を抱え、フェルムーンを睨み言った

「フェルムーンッ!お前だけは生かしてはおけないッ!ただの高校生のワタシにだって吐き気のする悪は分かるわッ!」

「あ…いら…ワタシの話を聞いて…アイツは強い…今のアナタでは勝てない…でも、逃げちゃぁダメ…アイツはどこにでも現れいつでもアナタを狙うわ…だからお願い…アイツをッ…フェルムーンを倒して…ッ!おね…がい、あ…い…ら…」

直後、律の身体から黄金の煙が立ち昇り愛羅を包み込んだのだ

それは魂

律は魂の死を迎えたのだ

そう愛羅は感じとった

「フェルムーーーーーン!!!!!ワタシは覚悟を決めたわッ!律をッ!士郎をッ!殺した罪を償って貰うわッ!」

「そうかい、それじゃあ君にも死んで貰おうか。」

瞬間ッ!愛羅の目の前にフェルムーンが現れ凶刃を振りかざしたッ!フェルムーンは律、士郎を殺した凶刃で愛羅をも殺すことにしたのだッ!

直後ッ!愛羅はスタンドでそれを受けるッ!しかし、衝撃に後ろに飛んだ愛羅に第二刃が襲うッ!

だがッ!ここで運命は愛羅を選んだのかッ!否ッ!律がッ!士郎がッ!2人が愛羅を思う気持ちが愛羅の生きようとッ!敵を討とうとする覚悟をッ!強く後押ししたのだッ!愛羅が無意識に地面から掴み取り前に突き出したものは“矢”だったッ!

「これはッ?矢?しかし、何故だろう…何か懐かしさを感じる…この矢からは律を感じるんだッ!」

直後ッ!矢は愛羅のスタンド目掛けて飛び出したッ!

「何ッ!避けられないッ!」

そして、矢は刺さりフェルムーンの凶刃までもが届いてしまったのだった…

「はぁ、これで終わりか…もっと楽しみたかったのになぁ。ん?これはなんだ?」

いつの間にかフェルムーンは黄金の煙に囲まれていたのだった

「終わり?ええ、そうね。確かに終わりよッ!アナタのねぇッ!」

「なっ!」

瞬間ッ!フェルムーンは煙の中から現れた拳に殴り飛ばされたのだった

「この力…まさかレクイエム…しかし、アイツ程度が選ばれるハズがッ!」

《私が回答しましょう。確かにマスター愛羅ではレクイエムの器にはなり得ませんでした。しかし、覚醒済みのマスター律、覚醒を始めたマスター愛羅、そしてそのお二方の覚悟を決めた黄金の精神。それが、マスター愛羅をレクイエムの器に仕上げたのですッ!》

「くそッ!一気に分が悪くなった…ここは逃げるしかない!」

《させません。この私、ヘイト・ザ・アザー・サイド・オーバー・レクイエムの能力は。私のマスターの望む世界に創り直す能力。あ、それとこの能力に目覚めた私に粉々されると創り直された世界にはいけません。永遠にさようならですね。それでは…そーりゃ!そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃぁ!》

「なんで…僕が…」

《マスターがそれを望んだからです。》

一瞬のうちに消え去ったフェルムーンは2度と現れることはないのだったッ!

そしてッ!世界は創り直されるッ!

士郎もッ!律もいるッ!何も失うことのなかった世界へとッ!

「ああ…全て終わったのね…」

「そのようね愛羅」

「律ッ!律が生きているッ!よかった!本当によかった!」

「俺は…」

「士郎もッ!みんな無事だッ!フェルムーンもいないッ!」

「でも、愛羅。どうやってフェルムーンを倒せたの?」

「なんだろう…追い詰められた時に不思議と律に背中を押された気がしたのよね。」

3人はそれぞれ思うところはあったが一度家に帰り休むことにした

「それじゃぁ、士郎…」

「あ、あぁ…ありがとう…な」

「ふふ…」

三者三様の別れを告げた…


そしてッ!時は流れッ!

「おめでとう!」

「愛羅!綺麗よ!」

「士郎も似合ってるじゃねーか!」

愛羅と士郎は結婚し

「律!だいぶ大きくなってきたね!」

律は新たなる生命をその身に宿していたのだった

しかし、少年少女はあの短くも濃密な時間を忘れることは決して無いであろう。

《マスター方、おめでとうございます。》

そう、2人にはまだスタンドが残っているのだから。

《世界を創り直すとき原因の一つである私も消えることを覚悟してはいたのですが…私のマスターは慈悲深いですね…》

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