6話 誘拐とジーク 2
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「全員手を上げろ!」
「きゃあぁぁ!!」 「何だ!?」 「うわあぁぁぁぁ!!」
「全員静かにしろ!」
その乗り込んできた一人が魔法を天井に向かって打ち上げる。
「声を出すな」
「嫌だ!お前なんか兵士が捉えてくれるんだ!観念しろ!」
一人の馬鹿な貴族がそのテロリストに向かって叫ぶ。
「喋るなっつたろ!『ウィンドカッターー』」
さっきの男が、叫んだ貴族に中位風魔法をぶつける。
「あぁぁぁぁあ!俺の腕が!!!」
「後、兵士は来ねぇよ。おねんねしてらー」
「そんな……」
「何が目的なんだ!」
さっきとは違う貴族が叫ぶ。
「あ゛?そんなの決まってるだろ。金だよ」
「金ならある!だから……」
「じゃあ100億ギラ用意しな」
ギラというのは今世界の金の単位で1ギラは100円である。
「そ……そんな無茶な……」
「無理なら作れ」
「そんなの横暴だ!」
「黙れ!甘い汁啜って贅沢ばっかしている貴族から金とったて誰も批判できねぇだろ!」
その言葉に会場がシーンとなった。
「取り敢えずそこの女をこっちによこせ売ったらいい値段になりそうだ」
「ひっ……」
指さされた俺は男の仲間に無理やり連れて行かれる。
「エルちゃんを返しなさい!」
母様は私を助けようとしてくれたけれど数の不利で負けてしまう。
「金が用意できたら返してやる。どうなっているかどうかはお前ら次第だがな!」
その時の私は冷静じゃなかったこともあり、魔法を使うことができなかった。
「100億ギラ用意できなければ奴隷として売る。明日までに用意しろ」
そう言ってその男は私を人質として誘拐し、アジトへ向かった。
サーラ視点
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「全員手を上げろ!」
そう言われたとき私は頭が真っ白になってしまった。私はエル様を守る義務があるというのに。
犯人は100億ギラ用意しろといった。そんな多額な請求に私は怒ったがその後の言葉で説得されてしまった。
そんなことをしている間にエル様はあの男に人質として誘拐されてしまった。
「100億ギラ用意できなければ奴隷として売る。明日までに用意しろ」
そういってテロリストたちは去っていったが、エル様を助けるにはなんとかして100億ギラを用意しなければならない。
けれど、明日までになんて絶対無理だ。
でも、どうにかしなければエル様が奴隷として売られてしまう。
私はどうすればいいのでしょうか。
「俺が認めたエルを奴隷にするだと?」
その声は聞いたことのある男の子の声。
「この問題は俺、ジーク・エルメリアが解決する」
そうジークだったのだ。