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双刀斬姫の遊戯道!  作者: 水無月 蒼次 / 原作:高宮 秀作
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ベイグルダンジョンぶらり旅

そして私は一先ず斥候として例のダンジョンに来た。


洞窟と遺跡が合体した、言うなれば炭坑のようなダンジョンの上層は例の結晶目当てのプレイヤーで溢れていた。


こんな状況でどうやってモブを狩れと言うのか…


私は諦めて中層へ下りていく。

降りるにつれて壁から露出する紫結晶が増えていくがここのコレは基本的にオブジェだから取ることは出来ない。


?ホントに取れないのか?


最近、ゲームとしてのこの世界に触れ続けていて忘れがちだったが自分はこの世界の住民だ。


その世界の住民なら、土ぐらい掘れる筈だ。


試しに手頃な大きさの紫結晶を掴む。


ひんやりした温度が掌に伝わる。


私はそれを力一杯引っ張ってみる。


が、やはり紫結晶は抜けない。


とりあえず紫結晶は置いておいて、mobを探す。


間も無くちょっと大きめの蠍が出てきた。


Mikhail scorpion Lv72


背中に天使結晶をビッシリ生やした見たこともない蠍が前から歩いてきた。


「新mob?」


私は特に気にすることもなく刀を頭に突き刺す。


黒い岩のような質感の甲殻はSTR値に任せて強引に破られて酷くひび割れてしまった。


「うん、こんなもんなら二人と来て乱獲した方がいいかな、それにもっと下に行った方が人が減って効率上がるかもだし」


私は独り言を言いながら更に進んでいく。


進むうちに五回階段を降りて、敵の平均レベルは80ぐらいまで上がった、流石に一撃では片付けられなくなってきたから予備の刀を取り出して二振りを器用に振りながらドンドン下っていく。


幸いトラップの類いは無いから乱獲に集中できてかなり楽しい。


一応言っておくけど私は戦闘狂ではありません。


例の天使結晶も三体に一個ぐらいのペースで落ちているからそろそろ99個になりそうだ。


単純計算で99×3=297

既に300体近く殺してたなんて驚きですね~


え?斥候じゃなかったのかのかって?


一応最奥まで偵察したら帰るつもりだよ?


それはただのソロ攻略だって?

そうとも言う・・・のか?


まあ、もうそんなに下もない筈だし400体に到達する前に帰れるはず

言ってる先から階段だし


「大人の階段の~ぼる~♪君はまだシンデレラっさ♪」


転生前に耳にした曲を口ずさむ


「私は階段く~だる~♪私は今は冒険者っさ♪」


レン:『シンデレラなんて対極の存在だね』


ん?今レンさんの声がした?気のせいか…


階段の先が非常に眩しい


外?いやこの紫の光が外な訳がないか


階段を抜けるとそこには大きな縦穴があった。


その真ん中に四方八方へと結晶を伸ばす巨大な紫結晶、大輝練結晶 大紫淵氷石と思われる物が浮かんでいる。


そして縦穴の内壁を巡るように二重螺旋階段が設置されている。


そして当然とでも言いたげに、Michaelシリーズのmobもそれ以外のmobも二重螺旋階段の上に無数にポップしている。


ついでに言うとパッと見の平均レベルは86って所かな。


とりあえず私はさっきまでと同じように両の刀を振り回しながら螺旋階段を下っていく。


一撃、二撃


二連撃


アクセルソード


次々と敵を屠りながら螺旋階段を下っていく。


にしても長い、強い、多い


風景はまんじりとも変わらないし、敵は切っても切っても減らないし、下っても下っても底にたどり着かないし、ほんとイライラする空間だ。


私は暴挙に出る。


大輝練結晶から伸びる紫結晶に乗り移って、枝から枝へと飛び降りる。


すると思ってたより下まで来ていたのか直ぐに底に着いた。


底に転移門がある


訳もなく、底には砕けて拾えるようになった紫結晶しかなかった。


「えー、ここまで来てそりゃないでしょ…」


レン:『プフフ困ってるね~』


また幻聴だ疲れてるのだろうか?

帰ったら、寝よう。

うん、そうしよう。

そうと決まれば、さっさと上る方法を考えよう。


うーん


地道に上るのは避けたいし、なにかしらギミックがあるはずだしな~


うー・・・ん?


私は徐に拳大の大きさの紫結晶を手に取る。


「確かコレって浮くんだよね。コレで飛行機作ったって言ってたし。で確か電子力で飛ぶってランが言ってたっけ?」


忘れがちだが、この世界には魔力もといMP以外に電子力と言うのがあった。

いや今でもある。

それは所謂SPと同じ感じになっているが戦闘ではほとんど使わない。

いや使えるが、そこまで必要を迫られたことは殆ど無い。

主に生産職が使う力と言っても差し支えない。

電子の力で創作物に属性や特定効果を付与するときに主に使うのだ、それはこれら練結晶にも言える事であり、その場合は効果を強化することになると思う


まあ、とりあえずやってみよう。


私は手に持ったそれをウインドウで選択して電子力による強化を試みる。


紫結晶が強く白く発光して、浮き上がる


それは止まることを知らないかのようにふよふよと風船のように昇っていった。

どこかで枝にぶつかるのではとも思ったが、紫結晶は枝に反発するような動きを見せて枝を避けながら昇っていって見えなくなった。


「まあ、やるだけやってみるかな」


私は一際大きな紫結晶の上に乗ってウインドウで選択して電子をつぎ込む。


大きさと荷物のせいか電子力の消費量がさっきより大きかったが、どうにか出来ないでもない量でもなかったから続行する。


私を乗せた紫結晶はふよふよと浮き上がって、速くはないが順調に昇っていく


すると何かキラキラした拳大の何かが高速で落下していった。


ガンッ!パキィィン!


下でそんな音がした。


きっとさっきの紫結晶だろう。


私は冷静に足下の紫結晶を選択して電子力を追加で注ぐ。


そうして昇ること十分ぐらい


やっと一番上にたどり着いた。


そこにはちょっとしたステージがあり、その上に転移石が設置されている。


そこから帰れるかはわからないが、行かないことには話が進まないから私は転移石に手を翳した。


一瞬で視界が切り替わって、ゴツゴツした岩肌の洞窟から石造りの円形闘技場になった。


「ボスがいる感じ?」


そこには銀色に紫色のアクセントの全身鎧が立っていた。

背中には天使の羽のような形の装飾がある。


The angel armor of Michael Lv108


へー、つよそー


私は特になにも考えずに予備の刀を投げつける。


予備の刀はエンジェルアーマーにキャッチされて投げ返された。


私はそれを避ける。


一気に間合いを詰めて片手剣スキルのクリムゾンスラッシュで 発生した斬撃で一回、刀で一回、計二回斬りつけた。


双天二刀流参式弐の型:締蛇


相手の周りを高速で回りながら満遍なく斬りつける、相手を永遠と拘束しつつ死に至らしめる技だ。


疲れるから普段は使うことは無い。


が今回は使ってしまった方が楽だと言うことで、思いきって使うことにした。


着々とダメージが累積していく、私は各種スキル等を利用して通常攻撃の威力を上げつつ、永遠と相手を翻弄いや締め付け続ける。


そしてその時は来た。


ビッシリと赤い筋が刻み込まれた全身鎧が各部関節が外れて地面に転がって、青い光となって飛び散った。


「ふう…疲れた」


だが、天使結晶が落ちたから良しとする。

それに部屋の奥に転移石も出現したからたぶん終わりだ。


私は転移石に手を翳した。


私は次の瞬間騒々しい建物の中に居た。


ギルド内の転移門の前だ。


「今日はもう帰って寝よ…」


そうして私の一日は過ぎていった。


イベントの開戦予定日まであと七日

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