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天の使い~vol.Ⅲ~

エリオットと緑は防戦一方だった。

緑は自分がどうにか出来ないかという焦りから、空回りを続けていた。


「落ち着け緑君!奴等の攻撃をよく見るんだ。」


「ハッハハ!無様だな、我らの攻撃に手も足も出ないではないか。だが遊びの時間は終わりだ。」


天使たちは、その手に赤いオーラを纏った剣を出した。

その剣はエリオットと同様、更に変化し実在する剣へと一瞬で変化していく。


「串刺しにしてやろう。」


エリオットと緑は互いに背を合わせ、天使たちを迎え撃とうと構えた。


「緑君……最悪の場合、君だけでも逃げろ。」


「な、なにを言っているんですか。そんなこと出来ません。」


「聞くんだ緑君。君はこの世界の希望だ。君を失ってしまったら、異変者と化した人々を誰が救う?」


緑はその言葉に沈黙した。

それはエリオットが言うように真実であるからに他ならない。


「大丈夫だ。例え、奴等に勝てなかったとしても私もまだ、死ぬつもりはないから。とにかく君は逃げる選択肢を持っていてくれ。」


「――分かりました。」


二人のやり取りが、ちょうど終わった時だった。

天使たちは空中から一斉に二人へ向けて急降下を始めた。


その時だった!


突然、激しい音が鳴り響き、宙を舞う天使たちが散り散りになって上昇した。


「な、なんだ今のは?」


天使たちも混乱している様子だった。

もちろんエリオットと緑にも何が起こったのか想像もつかなかった。

ただ、今の音で天使たちの攻撃を止めさせたことだけは分かった。


「ハハハ!待たせたなお二人さん!」


突如、声がこだました。

それはビルの屋上からだ。

10階建てほどの屋上から大きな声を上げていたのは、白衣を着た男だった。


「――白博士!?」


「――おじさん!?」


緑とエリオットは同時に声を上げた。


「私が来たからには奴等の好きにはさせんぞ!ゆけ、我がロボ兵団よ!」


白の声に反応するように彼の周りには十数体のロボット兵がいた。

大きさは成人男性と変わらない程だったが、その手にはアサルトライフルや狙撃ライフルが装備されていた。

その銃で彼らは空へ向け激しい弾幕を張っていった。


天使たちは避けてはいるものの、その弾丸の雨に怯んでいるようだった。


「おのれ、あいつは確か銀の世代の生き残り。ふざけた玩具を持ち出してきおって!」


天使たちは弾丸を避けながら白の元へと近付いていった。

そしてロボット兵へと刃を突き刺していく。

それでも簡単にはロボット兵も退かない。

損傷しながらも銃を撃ち続けた。


「緑君、これはチャンスだ。」


エリオットは再びガラスの階段を構築し、緑の手を引いて、上り始めた。

緑には足元の階段が見えない。

その恐怖と戦いながらも、エリオットを信じて自らの体を彼に任せたのであった。






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