親父
バーンとレミが戻ってきたのは丸1日程経ってからだった。
どことなく浮かない顔の二人に、外の状況を聞き出すのを、少し躊躇ったが緑は思い切って訊ねた。
「あの、二人はどこに行って何を調べていたんです?」
バーンとレミは顔を合わせてから小さく頷いた。
「外は地獄絵図さながらに酷いことになってる。」
普段は元気なレミだが、この時ばかりは沈んでいるように見えた。
「いったいどうなっているんだか。俺にはさっぱり分からないぜ。」
バーンも頭を抱えるように吐き捨てた。
「あ、あのどんな状況なんですか、外は?」
「正直言って訳が分からないことになっている。外の異変者たちが次々と殺されているんだ。」
「いったい誰が?」
「うーん、なんというか、その……ロボットなんだよ。」
バーンの答えに緑はどうリアクションしていいか分からずに、ただ呆然とした。
「ロボットって、あのロボットでしょうか?」
「そう。お前が思い描くロボットだ。だけど、あれはどこからやって来たんだ?」
どうやらレミとバーンも、その答えには至っていないようだった。
そこへ戒がエリオットと共に現れ、驚くようなことを言い出した。
「それってもしかして親父が作ったんじゃ……。」
緑は戒の言い分に更に頭が混乱してしまった。
確かに戒の父親は軍事ロボットの研究をしていただろう。
だからといってそう結論づけるには、あまりにも唐突すぎた。
「おそらく戒君の心配は的中している。私も独自に調査した結果、彼の父親に辿り着いたんだ。」
「エリオットさん、親父は今どこにいるんだ?」
「君のお父さんは、おそらく研究所だろう。私は今から彼に会いに行ってこようと思っている。」
「だったら俺も連れて行ってください。」
しかし、エリオットは戒の願いに首を縦には振らなかった。
「君は連れていけない。代わりといってはなんだが、緑君一緒に来てくれないか。」
「俺ですか?どうして?」
「君の力が必要になるかもしれない。だから戒君、君と凛香ちゃんはここで待っていてくれないか。」
戒は完全に納得したわけではなかったが、自分が行ってもきっと足手まといになることを頭のどこかで理解していた。
「緑、あのクソ親父に会ったらぶん殴ってくれて構わないから、どうか宜しく頼む。」
緑はエリオットとレミと共に戒の父親に会いに行くことになった。
出掛ける寸前で凛香は不安気な顔を見せていた。
その凛香に対し緑は、「大丈夫」と一声かけてから店を後にしたのであった。




