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生還

緑たちが凛香の母親の救出に成功してから丸1日が経とうとしていた。

凛香の母、加奈かなは未だ意識が戻らない。

しかし凛香の兄、戒が目を覚ましたのはちょうど、お昼を過ぎた頃だった。


「お兄ちゃん!」


「戒!」


二人は戒に抱きつき、彼の生還を喜んだ。


「俺は……どうなったんだ?それにここは?」


戒は異変者になっていたことを記憶してはいなかった。

軽い混乱状態の彼に緑たちは時間をかけ、丁寧に説明した。


「嘘だろ。そんなことが――。」


そして凛香が第二世代、いわゆる銀の世代の話を始めた時だった。


「そ、それは!」


「どうしたの、お兄ちゃん?」


「俺、昔親父の書斎で日記みたいなノートを見たことがあるんだ。その時にその言葉を見たことがあるんだ。まさか親父が、その銀の世代ってやつの生き残りってことなのか?」


ちょうどそこにエリオットがバーンやレミと共に部屋へと入ってきた。


「そうか、君たちの父親が銀の世代の唯一の生き残りの可能性があるということか。」


エリオットを見た戒は、すぐに彼に対し頭を下げた。


「あなたがエリオットさんですね。俺の怪我や母ちゃんの怪我も妹の世話までして頂いて、本当にありがとうございます。」


「それは気にしなくていい。それよりも君たちの父親は今どこにいるのか分からないのかい?」


凛香はすぐに首を横に振ったが、戒は考える様な素振りをしてから口を開いた。


「家にいなかったのなら、会社の研究所にいるかもしれません。」


「そうか。少し調べさせてもらったのだが、君たちの父親、たかしは、ロボットの研究者であり技術者だったよね。どんな分野のロボットに携わっているのかな?」


「親父は、軍事の関係でやっているって言ってました。」


「軍事?この戦争もない世の中で?」


エリオットは、何か腑に落ちないところがあるように、戒に訊ねた。


「俺もよく分からないですけど、親父は確かにそう言っていました。」


二人の会話はこれで終わりの様で、お互いそれ以上話すことはしなかった。


「バーン、レミ。少し探ってきて欲しいことがある。」


エリオットは二人を連れて、そのまま部屋を後にしていった。

戒はどこか元気がなさそうで、それに気づいた緑は彼に、もう少し休んだ方がいいと言って凛香を残して部屋を出た。


そのままエリオットの元へと緑は向かった。

おそらくバーンとレミはエリオットに命じられ、どこかへ行くはずだ。

もしも自分の力が役に立つことがあるのなら自分も一緒に同行したいとエリオットに直訴するつもだった。


しかし、緑がエリオットの元へ行くと、そこには既にバーンとレミの姿はなかった。




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