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妹と弟

エリオットの話しを緑は理解出来なかった。


「それはつまりどういうことですか?」


その緑の質問に対しエリオットは、「今はまだ知らなくていい。」と一言だけ言った。


それから数時間が経っていた。

緑と凛香は戒の側で寄り添うように彼の目覚めを待っていた。

すると、何やらさっきまでいた部屋が騒々しいことに気づいた。

気になった緑が覗きにいくと、そこに見知らぬ男女が立っていて、エリオットやバーンと話をしていた。


男の方は緑より少し年下に見えた。

背が高く、細身だがしっかりと筋肉がついているのが服の上からでも分かる。

だが顔つきは幼く、やはり年下だろうと緑は思った。


一方の女の方も身長が高く、足が物凄く長かった。

黒いピタッとしたパンツを履いているからか、特に細く長く見えた。

こちらは綺麗な大人の女性のようで、その佇まいは、まるでモデルのようであった。


「あの――。」


緑は気になって声をかけてみた。


「おお、緑。ちょうどよかったこいつら紹介しとくぜ。凛香ちゃんも呼んできな。」


バーンに言われた通り緑は凛香を呼び、再び部屋に入った。


「二人に紹介する、レミとクロスだ。で、こっちが緑と凛香ちゃん。」


「もしかしてバーンさんの兄弟の。」


「そう。こっちのレミが俺の二つ下で、クロスが四つ下だ。」


「……よろしく。」


クロスは人見知りなのか、ボソリと呟くように言った。


「うわぁ、お客さんなんて珍しいね。君、緑君っていうんだ、珍しいね、緑っちって呼ぶね。それで緑っちって何歳?」


「今年十八ですけど。」


「おお!じゃあタメじゃん。それでこっちの可愛い彼女が凛香ちゃんね。じゃあリンリンだ。」


見た目は落ち着いた大人の女に見えたレミは中身は子供だった。

しかし、そのギャップに緑の心臓はバクバクと破裂しそうだった。


「――あの、もしかしてレミさんって、あのレミちゃんですか?」


「えっ?凛香ちゃん知り合い?」


「違う違う、レミちゃんっていったらモデルでテレビなんかにもよく出てるじゃない、知らないの緑君?」


緑は普段からテレビを見るほうではないので、そういうことには疎かった。


「そうだよ。あのレミちゃんです。」


「うわあ本物だ。私、すごいファンなんです。握手とかしてもらえますか。」


「もちろん。私もすごく嬉しいよ。まさかこんなところでファンの子に会えるなんてさ。」


二人のやり取りを男性陣は眺めていることしか出来なかった。


「それでレミ、人々の避難は順調にいっているのか?」


「ばっちりだよ、パパ。私のファンの人たちが協力してくれたから。」


避難というワードに凛香はすぐさま反応した。


「皆、どこかに避難しているの?」


「うん。まあ、皆っていってもたかだか知れてるけどね。一応それなりの人は助かってる。異変者たちにも見つからない場所にね。」


そこに父や母、または友人がいるかも知れないという希望が生まれ、凛香の不安は少しだけ取り除かれた。


「私が事前に用意していた隠れ場は、そう容易く見つかることはできないだろう。他にも幾つかそんな場所があって、今はそこに人々を避難させている最中なんだ。」


緑は素直にエリオットたちがすごいと思えた。

そして自分にも何か出来ないだろうかと本気で考え始めていた。



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