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家族

緑たちは喫茶店エルフで二日程過ごしていた。

外に出るのは危険だと、エリオットの提案でここにとどまっていた。


そのエリオットはあれ以来、奥の部屋に籠りきりで出て来ない。

こうしている間にも家族や友人たちがどうなったのか気になり緑はソワソワして落ち着かなかった。

一方の凛香は、緑とは逆でリラックスしたような様子で、とにかくよく眠っていた。


「あのバーンさん、外を見に行きたいんですけど。」


「だ・か・ら・何度も何度も言ってるけど、外には出られません!お前も少しは凛香ちゃんを見習って大人しくしてろ。」


「だってこうしている間にも状況は悪くなっていくだけですよ。何とも思わないんですか。」


「そうは言っても、俺らが出来る事なんてないだろ?まあ、俺は出来ることはあるけどな。こいつで片っ端からぶっ殺していくことがな。お前はどうだ?何が出来る?」


バーンの言葉に緑は反論出来なかった。

自分に出来ることなんて何もなかったからだ。


「もう少し待ってろって。パパが良い作戦を考えてくれるさ。それにここに居れば美味い飯も食えるし、風呂もある。布団だってあるし本だって沢山あるぜ。多少退屈だろうが外にいるよりかは遥かにましだろ。」


これだけ安全に過ごせる場所は、今の世界では数少ないのかも知れない。

たが現状について知らなさすぎるのは罪深いことの様な気がして落ち着かない。

緑はどうしていいのか分からずに困惑していた。


ちょうど時計の針が19時を指した時だった。

突然、奥の部屋からエリオットが出てきた。

約二日間の間、部屋から一歩も出て来なかった彼が現れたことで緑たちは少し緊張感を顕にした。


「よし緑君、凛香ちゃん。外に出ようか。」


あまりにも唐突な言葉に緑と凛香は戸惑った。

表に出て外の状況を把握したい気持ちは大いにあったが、それが突然に実現するとなると、素直に『はい』とは即答できなかったのだ。


「パパ、だったら俺も行くよ。」


「いや、ここは私たち三人で行ってくる。お前はここで待機だ。」


「なんでだよ、俺だってずっとここにいるのはストレスだぜ。」


「クロスとレミが戻って来るかも知れないだろ。お前にしか頼めないんだ。」


緑と凛香は顔を見合せ、クエスチョンマークを頭の上に浮かべていた。

それを察したエリオットが二人に言った。


「クロスとレミっていうのは私の子供だ。つまりバーンの弟と妹ということだよ。」


この言葉に緑と凛香は再び顔を見合せた。

それは信じられないといった表情だったのだろう。


「なんだよ、俺にだって弟や妹くらいいるぜ。お前らだけじゃないんだぜ、家族と連絡が取れないのは。」


そんな事実を知らなかった緑と凛香は少し反省するより他なかった。


「さあ、行こう。」

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