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少しだけ見えた真実

緑は父親から授かった刀の話をエリオットたちに話した。

そしてその力が確かに自分の体内に存在することを緑は確信していた。


「なるほど。その刀が君を受け入れたということだろう。とはいっても私にはそれ以上のことは何も分からないが、おそらくそれは君の助けになるのだろうね。」


それは緑も感じていた。

その力は優しく緑を包みこんでいるように思えた。

しかし、その力で何が出来るのか今はまだ全く分からなかった。


「ただ一つ気になる点がある。」


エリオットはゆっくりとソファに腰を下ろしながら言った。


「君が呼び掛けたらお父さんは少し正気を取り戻した。確かそうだったね、バーン。」


「うん。あの時、緑の名前を呼んだのは間違いない。」


「そうか――もしかしたら。」


エリオットは顎に手を当て何やら考えこんでいた。


「あ、あの?」


「ああ、ごめんごめん。今はまだ憶測で話すときではないと思う。ちょっとだけ時間をくれないか。」


それだけ言ってエリオットは部屋を出て行った。


「バーンさん。」


「心配するな、きっとパパがお前の力の秘密を解いてくれる。それまで二人はここにいればいいさ。」


バーンの優しさは有り難かったが、緑も凛香も落ち着かなかった。

こうしている間にも家族がどうなってしまっているのか気がかりで仕方なかった。


そのことに気がついたバーンは緑と凛香の顔を見て、口を開いた。


「お前たちに今回の出来事の真実を少しだけ教えてやる。」


二人は、同時にバーンの顔を見た。


「まず、今回の件についてだが、これを天災の類いだと思っているのなら大間違いだ。これは意思を持った者が引き起こした、いわば人災と考えるべきなんだ。」


「いったい誰がそんなことを。」


「まあ、それについては、はっきりとしていない。それもパパが調べてくれるはずだ。」


「あの外の状況ってどうなっているのかな。」


凛香はやはり家に帰りたいのだと緑は感じた。

それは緑も同じ気持ちだった。


「外は時間が経つにつれて、状況は悪化していくだろうな。今は異変者たちがそうじゃない者を襲っているが、そのうち異変者同士でも争いを始めるだろうってパパが言ってた。」


「そ、それじゃあ人間がいなくなっちゃうんじゃない。」


「ビンゴだ、凛香ちゃん。どこかで誰かが手を打たなければ争いは終わらない。最後の一人になるまでな。」


もしもバーンが言っていることが本当のことなら、とんでもないことだ。

正直なところ緑は少し楽観視していたのかもしれない。

この状況は一時的に流行しているインフルエンザみたいなものだと捉えていた。

時間が経てばきっと収まるだろうと。

しかしそれならば誰かがこの事態に立ち向かわなければならないのではないかと思い始めていたのだった。

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