第2話「俺とち〇ぽと異世界と。」
「ち〇ぽが喋ってる...」
「んだ、おめぇ?ち〇ぽが喋るのがそんなにおかしいか??」
いや、おかしい。喋るち〇ぽが世界にあってたまるものか。
「...と言いたいところだがしゃんと説明してやろう。俺は気前がいいからな」
「...。」
このち〇ぽはどうやら俺の脳内に語りかけている、というのが正しいようだ。声は脳内ではなくしっかりと股間部から聴こえてくるのだが、決してち〇こに口が生えているわけでもないようなのでそういうことにしておく。
「おめぇは勘違いしているようd」
「さっきからお前はいったい何なんだ!?」
こんなわけのわからない状況だ、まずこちらから声をあげてもなんの罪もないはずだ。
「何って、おめぇ。そりゃおめぇのち〇ぽだよ。18年間も一緒だったろう??」
「いや、俺は自分のち〇ぽが大好きだったけどなぁ、自分のち〇ぽが喋ったところを見た事なんか一度足りともなかったぜ!?」
ち〇ぽは煽るように言い返した。
「そりゃぁこれから説明するから焦るなよぉ??早漏野郎。」
確かに俺は早漏だがそれはお前のことでもあるんじゃないのか...。
ち〇ぽは続けた。
「いいか?お前は勘違いしているようだがな、おめぇは"生きていた"わけじゃない」
「じゃぁなんだ、ここは天国だとでも言いたいのか??」
「まぁ間違いでもない、ここはおめぇがさっきまで生きていた世界とはまったく違う世界。おめぇは確かに元いた世界で死んだ。そして簡単な話、異世界で転生したってわけよ。」
いやいや、それはいいけどおかしくないか?
「それがそうだとしてもなんでち〇こが喋るようになっちまうんだよ、異世界の常識なのか??」
「なわけねぇだろぉ??」ブルンブルン
左右に揺れながらち〇ぽは続ける。
「"ち〇ぽが自我を持つ"おめぇはそういう異能力を持ってこの異世界に転生したんだ。俺が喋ってんのはそういう理由であって、そもそも俺もおめぇも一心同体なわけだぜ。」
「ち〇ぽが自我を持つ能力...」
異世界だとか異能力だとかはまぁその手の漫画とかは読むから多少理解できるとしても能力自体が腑に落ちないだろこれ...。
「いいか、本来ならこの世界に転生した時点でな?元いた世界で死んでこの世界に来たってことも自分が異能力を持っているってことも普通は自分で気がつくんだぜ??」ブンブン
「そうなのか??っていうかそれってこの世界はみんな元いた世界の死人で集まってるってことなの?あと竿を振るな。」
「そいつはちげぇなぁ。」ブンブン
「異世界ってのは星の数みてぇに存在するんだ、例えば死んだお前のじいちゃんだってこの世界にいるかもしれねぇしいないかもしれねぇ、そもそもおめぇみてぇに死んだまんまの姿じゃなくて新しい生命として転生する可能性だってある。
この世界にもな、おめぇみてぇに死んでそのまま転生されて来たってやつもいれば新しい命としてこの世界に生まれ赤ん坊から育ったってやつもいる。
後者にとってはこの世界が異世界だなんて認識はないだろうし前世の記憶だってないのが普通だと思うぜ??まぁとにかくおめぇの場合はこの2パターンのうちの前者の転生だったってわけだ、レアケースだぜ。」ブォン
「俺のち〇ぽ、やけに詳しいな...。どうも俺自身だとは思えないぜ...。」
さっきから左右に揺れるち〇ぽはとの会話はまるで本当に他人と話しているようでどうも慣れない。
「さっきもいったがな、おめぇみたいな記憶存続での転生の場合は普通転生した事実は自然と知っているはずなんだ。だけどてめぇが授かった"ち〇ぽが自我を持つ能力"のせいでかわからねぇがいろいろな初期情報とかは俺だけが持ってたってわけだ。ち〇ぽもおめぇの一部分だから同じだろってことじゃねぇか??」
「な、なるほど...と言っていいのか...??神様か知らないが余計な能力な上に余計な配慮をしてくれるな...。...まぁとりあえずなんとなくはわかってきたぜ。」
「おう、さすが俺の主人だな。」ブラブラ
「どうやら死んでしまった俺は"ちんぽが自我を持つ能力者"としてこの世界に転生された...完結にまとめるとこういうことだな?」
「その通りだ!理解が早くて助かるぜ、さすが早漏!!よっ!」
なんだが自分のち〇ぽに煽られるとどう反応すればいいかイマイチわからない...。
とにもかくにも現状を理解したらなんだか楽しくなってきた気がするな...前の世界も嫌いではなかったが異世界転生とかワクワクがいっぱいだぜ。
「おっおい!!」ムクムク
「てめぇそんなに興奮するとこっちが勝手に勃つんだぜ!?変にワクワクしてんじゃねぇ」
ち〇ぽに怒られてしまった。
ち〇ぽが自我を持ってるって面倒だな。
「とりあえず外に出てもいいのか??」
つい、ち〇ぽに問うように呟いてしまう。
「まぁあとのことは俺もわからねぇし主人に任せるぜ。」
ち〇ぽの返答で外へ出ることを決心した俺は再びドアノブを掴んだ。
(そもそも誰の家なんだろうな)
...そんなことを考えながらを部屋を出た俺を待っていたかのように目の前に彼女は現れた。
「せっかく助けてやった人間が、下半身に向かって一人でぶつぶつ呟いてる男だとか最悪だわ...」
部屋を出た先のリビングと呼べばいいかはわからない木造造りの居間の真ん中で、脚をくみ紅茶を片手に彼女は椅子に腰掛けていた。
その白いローブを身に纏う少女は自分と同じくらいの年齢だろうか、服の上からわかるほどのほっそりとした身体とその肩にかかる綺麗な赤い髪。異世界お決まりのやつってこれのことかな。
「こいつぁやべぇなぁ」ギンギン
「あぁ...」
もはや俺の竿を勃てたのが自分自身の意思なのかち〇ぽの自我によりものなのか考えるスキもなかった。おそらく両者ともであると思うが...
「森で倒れていた君を助けてあげたんだ、こんな変態だとは知らずにね...。
だけど助けたからには払えるもんくらい払ってもらうわよ。」
彼女は蔑むような目で冷たくそう言い放った。
「(払えるものってそういうことかな...?)」ドキドキ
「(おめぇもそう考えてたのか、奇遇だな主人!!)」ギンギン
俺&ち〇ぽ「(異世界、最高に楽しくなりそうだぜ
)」