第1話「性と死と。」
「救急車!!誰か早く救急車を呼んで!」
「馬鹿野郎!うちの学校は下校時間までケータイ回収してるだろ?!!」
「みっ、みなさん落ち着いてください!!私が取り急ぎお掛けしますのでどなたか彼を保健室へ!」
ざわつく教室の中、誰よりも冷静であったのが俺だった。今思えば自分でも笑いだしそうになってしまう。
何より、教室のみんなをざわつかせているのが俺自身であり、俺自身もこの時悟っていたんだ。
「(あぁ...俺は死ぬんだな。)」って。
股間に走るとても強く、それでいて重く鈍いその痛みこそ俺の死因で間違いなかった。
「おいっ!勃矢!!死ぬんじゃぁない!!目ぇ閉じんなよ!!!!!おい!??」
こんなにも必死に語りかけてくれる友を持った俺の人生は決して悪いものではなかったと思う、とはじめてその時気付いたんだ。ここで終わらせてしまうのはもったいないってね。
でも、俺の「生」は確かそこで終わったんだ。
...終わったはずだったんだ。
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目が覚めると俺は知らない部屋、病室でも自分の家の部屋でもないことは確かである見知らぬ部屋のベッドにいた。
「っ...!!....生き..てるのか...??俺は....」
「....。」ボロン
生きていた。
しかし、何より驚いたのは生きてるという事実よりも、ち〇ぽが何事もないように元通りになっていたということだ。
何を隠そう、俺はあの時、あの教室で、ち〇ぽに深手を負って死んだはずだった。
そう、何も変わらない一日の学校での休み時間、ち〇ぽに夢中だった俺はいつも通りち〇ぽをいじくりながらち〇ぽで教室の花に水やりをしていたんだ。
そんな俺のち〇ぽの元へ親の敵とでも言わんばかりにグラウンドで遊ぶ野球部による特大ホームランがヒットしてしまったというわけだ。
一瞬で気絶、ではあったというもののその一瞬は自分にとっては長い走馬灯のようで偉く冷静で入れたような気がする。
ち〇ぽにここまでのダメージを負ってしまってはおそらく死ぬだろうと思っていたが、案外人間というものは丈夫らしい。
丈夫と言えば、力を入れた俺のち〇ぽの硬さはなかなかのもである。
「とりあえず外に出てみるか、いったいここは何処なんだろうな...」
部屋のドアノブに手を伸ばしたその時だった。
「ちょっと待てや!!」
「!!!?.....!!?」
部屋には俺以外、誰一人いないのは一目でわかるし、そもそもそんなことは考えてもいない。
どこから声がするんだ!?とかいう驚きがあったわけでもない。
"自分"自身から声がする奇妙な感覚に囚われていた。
「バーロー!!ここだよ!ここ!!てめぇのち〇ぽしっかり見てみぃ!!!!」
おそるおそる今一度自分の履いているジャージのズボンとパンツを下ろし、自分のち〇ぽを覗き込んだ。
「え、....????何だよこれ...」
これは"俺のち〇ぽ"であったはずの知らないち〇ぽだ。見た目はそのままのち〇ぽなものの、俺に語りかけているのはそう、間違いなくこのち〇ぽだ。
「おめぇブリーフは苦しいからやめれ!ち〇ぽの気持ち考えたことねぇんか!??何とか言ってみ!!?」
ち〇ぽは力強くそそり立ちながら、俺に語りかけてきた。
そう、俺のち〇ぽは自我に目覚めていた。