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まるさん-2:眼差し(2)
第九話「まるさん-2:眼差し(2)」
痛い。神無月出雲は痛みに耐える。――義姉の神を信じて。
義姉の神は変わってしまったと、自らの神が言った。義姉の神を変えたのは義姉自身。しかし、きっかけは両親の再婚にある。自分にはどうしようもないが、少しでも助けになりたい。義姉がなくした神の水に、自分を代わりに差し出すことに決めた。それで気が晴れるならと。本来の義姉を見られるならと。でも甘かった。義姉の痛みは想像を絶した。名は体をあらわすという。名が変わったことで体が変わった。その変化に耐え切れなかった義姉の心を癒すには――だから出雲は神にお願いしようと思った。