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まるいち-3:神様の異変
第四話「まるいち-3:神様の異変」
神様もまた戸惑っていた。自身が変質していくのを感じる。
ここにおわす神様は、強い想いに惹かれて神埜水月を見守っていた神である。あるときまでは確かに、神埜水月の祖母、そして水月自身に求められていた。それがあるときを境に一変した。水月の母の再婚によって水月の姓が「神無月」になってしまった。神の無い月に神はおれぬ。神は水月の嘆きに呼応して、水月の願いに相反して、神みずからの意思に関係なくその性質を変える。
――水、すなわち恵みをあたえる神から、嘆きや悲しみをもたらす神へと。