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えぴろーぐ:姉妹の日常

 第十四話「えぴろーぐ:姉妹の日常」

 神無月水月、出雲姉妹は大変仲の良い姉妹である。両親の再婚によって姉妹となった二人には血の繋がりこそないが、それでも確かな絆が存在した。――神々の絆が。

 最初の頃、水月は大分荒れていたのだと友人は語る。姓が変わった当初は、いつも目が虚ろで、呼びかけても反応が薄く、神無月と呼ぶと怒り狂って叫びだしたのだと。でも今は違う。神無月という姓に嫌悪感はない。逆に、間違えて神埜と呼ぶと怒られるようになった。そこに当時のような激しさはなく、ちょっとした戯れで怒っているような雰囲気。あの頃のようなとげとげしさはない。

 出雲の父が再婚したと聞いてからひと月くらい経った頃だっただろうか、と友人は語る。ある日体育の授業があって着替えをしていると、出雲の全身が痣だらけなのに気が付いた。だれにやられたのかと問うと、義姉(あね)に殴られたのだという。気にしないでいいとも。義姉(あね)は憑き物が落ちたかのように、正気に戻ったのだと。だからいいのだと。とうてい信じられる話ではなかったが、なぜだか信じてみようと思ったと。

 仲良しの姉妹は今日も手を繋いで出かけていた。義妹(いもうと)の方を見ると、よほど嬉しいことがあったのか、スキップまでしている。それにつられて、義姉(あね)の方も苦笑いを浮かべつつスキップをしている。そのままショッピングモールへ入っていくと、そうか、ショッピングデートかと、友人たちは冷やかしに後をつける。

 これにて『神のみぞ知る? 神ですら知らぬ!』は完結です。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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