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まるよん-3:神々の結託
第十三話「まるよん-3:神々の結託」
腐りかけの神は再び浮上する。腐った表面が剥がれ落ち、清浄な気配が戻る。――助かったのだと理解する。
腐っていた神は清らかな神々に謝る。助けられたと。自分の過ちを認めると。
清らかな神々は腐っていた神に言う。それは違うと。助かったのはあの子のおかげだと。だから自分たちに謝るのは筋違いだと。
腐っていた清い神はようやく理解する。自分たち神であろうと万能ではないのだと。分からないことはどうしたって分からないのだと。それは思い上がりの傲慢だと。
清らかな神々はそれに重ねる。できないからこそ助け合うのだと。人の子であろうと神であろうと、同じなのだと。自分は自分の役割を果たせばよいのだとも。
清い神は頷く。自分に出来ることをするのだと。自分が見守るべきあの子に、恵みの水を与えるのだと。
――出雲の神々と、水月の神は、二つで一つの神となった。




