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まるよん-2:決意の涙

 第十二話「まるよん-2:決意の涙」

 神無月出雲は安堵する。痛くても、痣だらけでも、聡い彼女には分かる。――義姉(あね)が正気を取り戻したと。

 涙が流れたのは偶然だった。痛くても、辛くても、悲しくても、涙を流すことはあまりなかった。でも、今回は違った。心の痛みに、義姉(あね)の心の痛みに耐え切れなかった。堪えきれない痛みは、呻き声として漏れ出し、血として流れ出し、ついには涙となって零れ落ちた。義姉(あね)の暴力がやんだ。そのことを理解すると、心が晴れ渡るように清々しかった。義姉(あね)の頬に落ちる涙に気付くと、そっと指で拭った。すると義姉(あね)は困ったような表情(かお)で微笑んだ。ありがとう、ごめんね、痛かったでしょうと、泣きながら囁いた。私の神はもうあなただからねと、今度は嬉しそうな、恥ずかしそうな表情(かお)で囁いた。私が義姉(あね)の失った神の水になるんだと、決意した。

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