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俺なりのショートショート3

作者: 骸骨
掲載日:2026/03/17


 三匹の猫たちはそれぞれリュックサックをしょって、近所の湖までピクニックをしに行った。途中、隣村に住むなで肩の狸の和尚と出会った。和尚は日課の散歩の最中だったらしく、首にかけた手ぬぐいで汗をしきりに拭いている。猫たちが行こうとしている道と、和尚の散歩道は途中まで同じ方角に歩いていくことになるので、同意もしていない猫たちに和尚は勝手についていくことにした。

 和尚はおしゃべり好きで、道中聞いてもいないことをくだくだしゃべり続けて猫たちをうんざりさせた。別れた女房のことや新しく出会った若い娘の話、最近の子供たちの神仏に対する敬いの念が足りないなど。次から次に和尚の口から言葉があふれて、止まることはなかった。

 和尚は途中までと言っておきながら、結局湖まで一緒についてきてしまった。無音で猫たちは、りょっくサックを開けて、持ってきた魚の干物を食べ始めた。干物を食べる猫たちを和尚はうらやましそうな顔で眺めている。猫たちは和尚のことなど気にかけず、もくもくと干物をかじっている。

 猫たちが一切干物を分けてくれそうにないことをやうやく悟った和尚は猫から離れて、湖に顔を突っ込んだ。水中では、元気よさそうに小魚が泳いでいる。猫が食べいる干物の方がおいしそうに見えても、もらえないなら仕方がない。自分で獲るしかない。和尚は湖に飛び込んだ。


 おなか一杯になった猫たちは、ゴロゴロのどを鳴らし目を閉じて寝そべっている。和尚が湖から上がってくる気配はない。

 猫たちがまたリュックをしょって家に戻ろうとしていた時、猫たちの側に勢い用何かが投げつけられた。白くかすかに黄色がかった、動物の頭の骨。大きさから言って、あのおしゃべりな狸和尚の頭だった。

 野太い咆哮が、地響きのように大地を揺らす。何が起きているのか分からない猫たちは、慌てて走り出すが、猫たちに想像できない何かは、決して猫たちも逃がすことなく自らの体内へ送り込んだ。

 ゲェッ…、という汚らしい音を出すと、それはばらばらの骨を吐き出し湖の底へと戻っていった。

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