マネー・ポッターと金庫の金
始めましての方は始めまして山々です。自己紹介とか世間話はコミュ障の私には得意ではないので早速本編をドウゾ
むかしむかし、ある小さな村に、マネー・ポッターという少年が住んでいた。
彼は十一歳で、両親はとうに事故で亡くなり、叔母と叔父の家で階段の下の物置部屋に住まわされていた。叔母のペチュニアはいつも「無駄な口は食うな」と言い、叔父のバーノンは「金にならない人間はゴミだ」と吐き捨てる。マネーは背が低く、眼鏡をかけ、額に稲妻型の傷があったが、そんなものより彼が一番気にするのは、空腹だった。ある日、十一歳の誕生日。
いつものように朝の四時に起こされ、台所で叔父の分のトーストを焼きながら、自分の分はカビの生えたパンの耳を齧っていたとき、玄関のドアが叩かれた。ドンドンドン。音があまりに大きくて、家全体が震えた。ドアを開けると、そこに立っていたのは、ものすごい巨人の男だった。黒いスーツに金のネクタイピン、腕時計は明らかに高級品で、指にはダイヤのリングが光っている。男はにこりと笑った。「おい、マネー・ポッター。お前は魔法使い……いや、投資家だ」マネーは目を丸くした。
「投資……?」巨人は名乗った。名前はルビウス・ハグリッド。世界最大の銀行「グリングッツ」の支店長代理だという。ハグリッドは大きな革袋から一通の手紙を取り出し、マネーに渡した。封筒は厚い羊皮紙で、緑のインクでこう書かれていた。グリングッツ魔法銀行・資産運用学部
親愛なるポッター様
貴殿は本校への入学を許可されました。
学期開始は9月1日。
持ち物リストを同封いたしました。
副支店長 M. マクゴナガル持ち物リストにはこうあった。
・一本のワンド(投資判断用)
・黒いローブ三着
・純金製のコインケース一つ
・教科書『初心者のための複利の魔法』『闇のポートフォリオとその防御』などマネーは混乱しながらも、ハグリッドに連れられてロンドンへ向かった。
道中、ハグリッドは興奮して語った。「お前の両親はな、伝説のトレーダーだったんだ。ジェームズとリリー・ポッター……『黄金の夫婦』って呼ばれてた。ヴォルデモートって奴……あいつは『損切りできない魔王』って呼ばれてる最悪の投機家でな、お前が赤ん坊のときに両親を破産に追い込んだんだ。でもお前は生き残った。額の傷はそのときの損失確定の痕だ」グリングッツ銀行は地下深くにあった。
ゴブリンたちが金の延べ棒を運び、ダイヤの山を数えている。ハグリッドはマネーを713番金庫へ案内した。鍵を回すと、ドアが開き、中から緑色の光と紙幣の匂いが溢れた。
山のような純金コイン。宝石の袋。両親が残した資産だった。「お前は金持ちなんだよ、マネー。これ全部、お前の種銭だ」マネーは初めて、自分の人生が「マイナス」じゃないことを知った。9月1日。
マネーはキングズ・クロス駅の9と3/4番線から、真紅の機関車「ホグワーツ・エクスプレス」に乗った。車掌は「利回り良好!」と叫びながら切符を切る。ホグワーツ城は、昔の城じゃなくて、巨大な証券取引所のビルだった。
屋根には金の雄牛と熊の像が睨み合い、大時計は「NY市場オープンまであと3時間」と表示している。組分け帽子が被せられると、帽子は叫んだ。「欲深い! でも計算高い! 賢い! でも大胆! ……スリザリン! いや待て、グリフィンドールの方がリターンが高いか……よし、決めた!」「ハッフルパフ!!」
(理由:長期保有が得意そうな顔してる)ハッフルパフの寮は地下にあり、金庫室のすぐ隣だった。
同級生たちとすぐに打ち解けた。・ロン・ウィーズリー:赤毛の大家族の末っ子。いつも「お金がない」が口癖だが、実はポンド・コスト平均法の天才。
・ハーマイオニー・グレンジャー:すでに三冊の投資本を完璧に暗記してる優等生。「複利は八番目の魔法よ!」授業はこうだった。変形術:損益通算の技術
呪文学:企業決算書の読み方
闇の魔術に対する防衛術:詐欺スキームとポンジ・スキームの見抜き方
飛行術:オプション取引(急に上がったり下がったりするから)
そして最大の敵、ヴォルデモート。
彼はかつて「不死のポートフォリオ」を作ろうとして、全資産を一つの怪しいコインに突っ込み、大暴落で死んだ……はずだった。だが実は生きていて、今度は「賢者の石」——無限に金を増やすという究極のアルゴリズム——を手に入れようとしていた。マネーは一年の最後に、ロンとハーマイオニーと一緒に地下の金庫迷宮へ潜った。
罠は三つ。悪魔の罠:欲を出した者は金に埋もれて動けなくなる
巨大なチェス盤:ロンはここで犠牲になった(でも実は損切りして助かった)
鏡のエリゼド:そこには「世界一の金持ちになった自分」が映る
マネーは鏡の前で、自分の姿を見た。
でも映ったのは、金持ちの自分じゃなかった。
両親が生きていて、一緒に笑っている姿だった。そのときマネーは悟った。
「お金は手段であって、目的じゃない」賢者の石は、実はただの赤いUSBメモリだった。
ヴォルデモート(実は裏で教授のクィレルに憑依していた)はそれを奪おうとしたが、マネーが触れると、母の愛の保護魔法(=相続税ゼロ特例)が発動し、ヴォルデモートはまたしても大損失を確定して消えた。一年が終わり、ダンブルドア校長(白い髭の伝説的ウォーレン・バフェットのような人)は、マネーに言った。「金は大事だ。だが、それ以上に大事なものがある。
それを忘れなければ、お前はいつか本当に富を得るだろう」マネーはホグワーツ・エクスプレスで家路についた。
窓の外には夕陽が輝き、ロンとハーマイオニーは隣で寝ている。ポケットの中には、両親が残した一枚の金貨。
裏面には小さくこう刻まれていた。「お金は増やすものじゃない。大切なものを守るものだ」マネー・ポッターは微笑んだ。
来年も、またここへ戻ってくる。
まだまだ、学ばなければいけない魔法がたくさんあるから。




