20代最後だから
私はもう29歳になる。
正直20代前半はチヤホヤとされてきたが
後半になると現実がグサグサと突き刺さる。
もう若くないぞと言われるし
まだ若いんだからとも言われる。
どちらの言葉も喉に詰まる魚の骨のように痛む。
29の数字は 何かが終わりそうで
何か始まってしまいそうな
どうしようもない感情で1年を過ごしてしまいそう。
人に会えば
「もう30近いんだからしっかりしろ」
「まだ20代じゃん、遊べ遊べ」
どっちも正論で
どっちも的外れで
30近いのなら子供も産まないといけないだとか
もう30なら髪の毛やファッションも落ち着かない
とおかしいだとか
30なのだから必死で動かないと痩せないだとか
もうおばさんだとか
女の賞味期限が切れてきているのが
ネットのある人へのコメントだったり
まわりと比べて自分は少し出遅れていたりで
直接自分に言われてるようで、なんだか心苦しいのです。
SNSを開けば
タイムラインは祝福だらけ。
なんとか私は結婚はしているけど、
「結婚式ありがとう」「第一子誕生」「起業しました」 「収益はなんと!!」
全部が全部、私の首を絞めてくる
いいねを押す指が止まってしまって
あー、消しテェってリセット症候群になりそうになる。
貯金通帳を開けば残高はいつも三桁
夢を買うには足りない
現実を変えるには足りない
ただ生き延びるだけなら
ギリギリ足りる
それが一番怖い
やりたかったことリストを毎年書いてみるけど
チェック欄がほぼ空白のまま
終わってしまっている。
福袋買いたかった
○○へ行きたかった
資格を取りたかった
大きいベットが欲しかった
貯金したかった
小説を書きたかった
全部「たかった」で終わる
「今からでも遅くない」と言う友人は
すでに結婚して子どもがいて
家を買って
安定していて
説得力ゼロだ
親にはまだ言えない
「これで親を安心させられるね!」と。
「生き方、間違えたかも」と
「助けて」と
30近くにもなって
親を心配させるのが怖い
30歳の誕生日が刻々と迫ってる
カウントダウンみたいに
胸が締め付けられる
次は「三十路」になる
このぬるま湯から引きずり出して
「動け」と怒鳴って
「まだ間に合う」と背中を押してほしい
そんな他力本願ではだめか。、
29歳って
こんなに痛いものだったのか
子ども時代はもう戻らない
大人時代はまだ始まらない
私ははまだ
生まれたての大人で
死に損なった子どもで
誰でもない自分で
誰にもなれなくて
29歳の夜は
長すぎて
苦しすぎて
三十歳になっても
きっとこの叫びは
胸の奥で
ずっと響いてるんだろうな




