表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

朝起きたら魔王になってた女子高生の話。

流行りの異世界転生ものを書こうとして出来上がった短編。違う気がする……。


単品で出してたけど短編集に収納しておきます。

 朝、目が覚めたら魔王になっていた。

 意味がわからない? わたしだって意味がわからない。いや、むしろわたしが一番意味がわからなくて困っている。誰か助けてくれ。


 まぁとりあえず暇な人は事情を聴いてくれ。お願い。


 わたしは都内の平均的で一般的な共学高校に通う女子高生だ。昨日までは。見た目はチャラくもなく優等生でもなく、別に髪を染めたりピアスを空けたりはしないけど、きっちり制服を着こなしたりするようなタイプではない、みたいな? そんな感じ。

 成績も中の上くらいかなーっていうのを維持。別に勉強は嫌いでも好きでもない。

 友達も多くもなく少なくもなく。本当に平均的で一般的。

 喧嘩もしなければ捨て猫を拾うようなこともないし、ブンガクショージョみたいに読書ばっかしているタイプでもない。学校帰りにスタバ寄ったりはするけど。

 そんな平均的で! 一般的な! 女子高生でした! 昨日までは。


 現在、魔王です。


 え? 本当になんで? わかんない。意味がわからない。

 昨日、学校から帰宅して(もちろん直帰ではなかった)、ご飯食べて、お風呂入って。英語で宿題出てたっけーまぁいいかーなんて思いながらスマホいじりながらベッドへダイブ。そして寝落ち。

 で、これですよ。魔王。意味がわからない。


 最近コジワが目立ってきたって騒いでるママの声で毎日起きるのに、今日はどうしてだか聞こえなかった。

 枕元に置いてたはずの小さいころから使ってるなんかのキャラクターの目覚まし時計も見当たらない。そもそも手に持って寝落ちしたはずのスマホもない。

 しかもベッドがあれですよ。なんか薄いカーテンみたいなのが上からかかってるお姫様ベッド! ニ〇リで格安だった一段ベッドが、お姫様ベッドに!

 ベッドの上で呆然としていたら、ノックの音。ビビッて返事をする前に勝手に開くドア。

 入ってきたのはおでこにもう一つ目があるひつじ? しつじ? みたいな恰好したイケメン。ビビり散らして枕投げたよね。


「おはようございます、魔王さま。今朝は随分とご機嫌ですね」


 だって。

 は? 魔王?

 そう言い返したわたしは悪くない。だっていきなり魔王とか言われても意味がわからん。


「ああ。自我がお目覚めになったのですね。皆も喜ぶでしょう」


 ひつじだかしつじだかはそう言って、朝ごはんは食べるかどうか聞いてきた。そんな場合じゃないんだけど! と思ったけどお腹は素直だよね。勝手に腹の虫が返事をしてくれた。恥ずかしいったらありゃしない。

 ひつじだかしつじだかわかんないイケメンはにっこり笑って「かしこまりました」と一言。

 くそ、イケメン彼氏が欲しいとか短冊に書いたのは謝るから今すぐわたしをただの女子高生に戻して! イケメンに侍られるとめっちゃいたたまれない。これ、マメね。


 それから流されるままに朝食食べながらわたしが魔王だってことを教えてもらって、綺麗なドレスに着替えて豪華な椅子に座らされてるのが今の状態。現状。

 綺麗なドレスを見たときに「え、もしかしてスタイルいい美女に転生した!?」とかちょっと期待したけど鏡見て撃沈した。

 だって目が六つで牙もあって、手足は二本ずつだけど尻尾やら翼やらが生えてて髪が蛇! めっちゃ化け物!

 イケメン曰く、魔族の中で一番の美人はわたしらしい。ありがとうよ、自称フツメン。けっ。


 そんなわけでなんかよくわからんけど魔王として偉そうに椅子に座ってる。

 女子高生だったわたしは一体どこに? ママやパパ、最近おでこが後退し始めた兄はどうなったの?

 誰かちゃんとした状況を教えてください。本当に困ってます。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

感想・評価、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ