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『復讐、そして、身代わり-7』
昂平は夜になって漸く家へと辿り着いていた。帰宅し、腰を下ろした昂平は魂を失ったかのように、いっぺんにドッと疲れが押し寄せてきた。
【取り敢えず眠りたい】
と昂平はそのままベッドに横になったのであった。
二、三時間ほど眠っただろうか……昂平は携帯電話の着信音で起こされた。
「はい」と明らかに少し不機嫌な様子で昂平が電話に出る。
「昂平くん」と聞き覚えのある声だった。
昂平はスッと体を起こした。
電話の相手は愛美だった。電話の向こうの愛美は泣いているようだった。
「……どうかしました?」
「……大変」
「……」
「大変な事になっちゃった」
「どうしたんです?」
「今直ぐ来て欲しいの」
「……」
「……お願い」といつもの愛美とは違い、弱々しく、今にも消え入りそうな声であった。




