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『復讐、そして、身代わり-4』
【人の出会いは不思議だ。世界中では数え切れないほどの人が生を受け、暮らしているけれど、恐らく死ぬまでにそのほとんどの人と知り合わぬまま、他人のまま、お互いすれ違っても、きっと素通りしたままの関係で人生が終わるに違いない。
人の出会いは不思議だ。極々限られた人たちとの出会いの中で、好きになったり、喧嘩したり、憎しみあったり、笑いあったり……その時々の大切なものやかけがえのないものを共有しながら、生きていく。人は一人では生きていけない。それ位は知っている。でも、不幸になる出会いを重ねる位ならば、一人でいた方がどんなに気楽か知れない。
心から愛した人よ……
あなたは幸せでしたか?
どうでしたか?】
昂平はいつまでも、いつまでも芽依が眠る墓石に手を合わし続けたのであった。




