『正月の出来事-2』
【タバコを止めてから、食欲旺盛。正月太り。良くあるフレーズ。気がついた頃には後の祭り。が、やっぱり止められない。箸が止まらない。おせち料理って、何でこうも美味しいのだろう。伊達巻きを食べて、お煮しめを食べて、数の子を食べて、また伊達巻きに箸を伸ばす。基本的に伊達巻きを主に、他を替えながらのエンドレス。一年に一回だもん。食べ続けます】
朋美は正月は実家に帰省していた。実家といっても、同じ東京都内なので、下手をすれば、週に一回のペースで帰省していた。そんな実家にも誇らしげに週刊ツイセキが置いてあった。合計三冊。
家族の話題も専ら、その話が多かったが、時折、忘れた頃に決まったように持ち出されるありきたりだが、朋美にとっては耳の痛い結婚話は右から左に受け流しながら、朋美はとても心の落ち着くそんなひと時を過ごしていたのであった。
そんな時、朋美の母親が言った。
「本当にその家族の長男が犯人なの?」
「……どうだろうね」としか朋美は答えなかった。
「ほら、見て、見て」と朋美はわざと話を変えるかのように、何気なくついていたテレビを指差し、少し大袈裟に笑った。家族の視線がテレビに集中した時にはもう朋美の顔からは笑みが消えていた。
【編集長が悠現社にいた……】
その事実を知ってから、朋美の頭の中はその事でいっぱいであった。




