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『封印が解かれる時-3』
週刊ツイセキ編集部内では、デスクに座っていた三宅が手紙から目を離し、目の前に立っている朋美を見上げた。
「信憑性は?」と朋美が聞いてきた。
「この事件ならよく知っている」
「その……未司馬昂平って……」
三宅が手にしている手紙の中に、未司馬昂平の名前があって、
「十四年前に何者かによって惨殺された未司馬家の、家族の中の唯一の生き残りで、その一家の長男だ」
「その長男が……」
三宅が手にしている手紙の文面の中に、未司馬昂平が……と書かれてあり、
「面白い」と三宅がにやりと笑った。
三宅が手にしている手紙の文面の中に、未司馬昂平こそが事件の真犯人であると書かれてある。
「が、一つだけ問題がある」と三宅は途端に表情を曇らせた。
「問題!?」と朋美にはすぐには見当がつかなかった。
「取り敢えず、上層部にかけあってみる」と三宅が立ち上がり、部屋を出て行った。