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『M:9』
十五年前の二月十四日の夜。未司馬家。
長女の早季子の部屋。未司馬早季子がベッドですやすやと寝ていた。とても寒い夜だったので早季子は首まで布団を被っていた。そんな早季子の首を絞める手。
昂平が早季子の首を絞めていく。十四歳の昂平の顔には、まだまだ十四歳のあどけない表情とは裏腹に悪魔が棲みついているかのようだった。
そして、次男の晃勝の部屋。未司馬晃勝がベッドで寝ていた。寝ている晃勝の首を絞めていく昂平。力の限り晃勝の幼い首を締め上げていく。
未司馬家では桃が昂平に向かい、拳銃を向けていて、
「妹……」
「……」
「弟……」
「……」
「どっちが先だったんだろう?」
「……」
「それを知っているのは犯人だけ……幼い妹弟は儚くもその短い生涯を終えた」
「……」
「父親が違っていたとはいえ……信じて疑わなかったいつもは優しいお兄ちゃんに殺された」
「……」




