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『M』
『M』
夕方になってさらに寒さが増してきた。天気予報で予測されていた雪は、どうやらまだ降ってきてはいなかった。
昂平はただそれを見つめた。
それは昂平が四歳から十四歳なるまで暮らした家……あの忌まわしい殺人事件が起こった未司馬家であった。
「……」
昂平が門扉を開け、敷地内に入っていった。
「……」
鍵の開く音がして、ドアを開け、昂平が家の中に入っていった。
週刊ツイセキ編集部内の部内会議室で、朋美と三宅が、
「……初恋の人!?」と三宅が絶句する。
「はい」
「それは尋常なる心持ちじゃないかも知れないな」
「……はい」
「もしも……」
「……」
「未司馬昂平が本当の犯人だった時」
「……」
「また別の新たなる悲劇が起こってしまうかも知れない」
「……別の悲劇!?」
「その刑事とは連絡取れないのか?」
「電話してみます」と朋美が携帯電話をかけていく。
「……出ません」と空しく朋美が携帯電話を見つめたのであった。




