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スウィートビター  作者: そらあお
122/152

『M』

『M』



 夕方になってさらに寒さが増してきた。天気予報で予測されていた雪は、どうやらまだ降ってきてはいなかった。


 昂平はただそれを見つめた。

それは昂平が四歳から十四歳なるまで暮らした家……あの忌まわしい殺人事件が起こった未司馬家であった。


「……」


昂平が門扉を開け、敷地内に入っていった。


「……」


鍵の開く音がして、ドアを開け、昂平が家の中に入っていった。



 週刊ツイセキ編集部内の部内会議室で、朋美と三宅が、


「……初恋の人!?」と三宅が絶句する。


「はい」


「それは尋常なる心持ちじゃないかも知れないな」


「……はい」


「もしも……」


「……」


「未司馬昂平が本当の犯人だった時」


「……」


「また別の新たなる悲劇が起こってしまうかも知れない」


「……別の悲劇!?」


「その刑事とは連絡取れないのか?」


「電話してみます」と朋美が携帯電話をかけていく。


「……出ません」と空しく朋美が携帯電話を見つめたのであった。




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