『家族の温もり-5』
週刊ツイセキ編集部内では朋美が自分の席で、
「気持ち悪い」と言いながらも資料に目を通していた。
隣の席の川村が朋美に向かい、
「二日酔いなのに、仕事はちゃんとするんですね」
「出来る女で、憧れちゃう?」
「いや。逆に痛々しいです。男にフラれて」
「だから、フラれてないから」
「酒に溺れて」
「溺れてねえし」
「仕方がないから、仕事に命を懸けるみたいな」
「一度、絞め落としていい!? 柔道やってたから、頚動脈探すの得意だけど」と朋美がふざけて川村の首を絞めようとする。
「止めて下さい」と川村が逃げていく。
朋美は笑みを浮かべ、尚も資料に目を通していく。が、直ぐに朋美の顔から笑みが消える。
「編集長」と朋美がとても慌てた様子で三宅のデスクへ向かったのであった。
桃は坂西李果が入所するひばりの苑に来ていた。
「……」と桃は何かを見つけて、立ち止まった。
週刊ツイセキ編集部内では血相を変えてやってきた朋美に向かい、
三宅が、
「代わりに殺さないでくれよ」とジョークを言う。
「しませんから……っていうか、坂西家にはもう一人、家族がいたんですね」
「……ああ。いたな。当時、小学生になる娘が一人」
「それは……」
「うん?」
「……調べなくていいんですか?」と朋美が少し思いつめた表情で聞いた。




