表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スウィートビター  作者: そらあお
117/152

『家族の温もり-4』

 停留所をバスが発車していく。その車内には桃の姿があった。今日は非番だった桃はある場所を目指していた。

 桃が吊り革に掴まり、立っていた。近くの席に一組の家族が座っていた。歳は三十歳代前半位に見える父親と母親に、小学校低学年位の兄に、まだ幼少の妹。父親と兄、母親と妹の並びで、前後二席ずつ座っていた。

 兄妹のどちらかが後ろを振り向いたり、どちらかが後ろから突付くなどして、とても和気あいあいとした雰囲気であった。桃はその光景をぼんやりというか、とても穏やかな表情で眺めていたのであった。


【私にもあんな時代があったっけ……子供の頃は訳もなく窮屈に感じた。早く大人になりたいとそんな事ばかり考えていた。大人の自由と、子供の自由とは全く別物だと思っていた。それはきっと間違いじゃないだろう。


明日も大人……明後日も大人。一年後も、いや、これからずっと大人のまま。もう子供には戻れない……もうあの頃には戻れはしない】


 バスが次の停留所に着き、停車した。そのちょっと前というか、車内に次の停留所のアナウンスがされるなり、家族の兄と妹が競うように、降車ボタンを押していたので、この家族がこの停留所で降りるのは、桃には分かっていた。


 幼い兄妹が父親と母親に手を引かれて、ゆっくりとバスを降りていく。それと同時に乗客の半数近くがこの停留所で降車した為、車内は急にガラガラとなり、桃はさっきまで家族が座っていた、きっと体温だけではない温もりで温かいシートに腰を下ろしたのであった。



 歩道を歩く昂平が携帯電話で、

「また、家の鍵を貸して欲しい」と言った。



 M&M法律事務所では護が電話で、

「……鍵!? ……分かった」と答え、電話を切ったのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ