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クラスでのサニー

マヤと私は、付き合うことになった。

いや、付き合うという言葉がふさわしいかはわからない。


ただ、友達以上の関係になった。


マヤはアメリカについていきたいと言ったけど、不安だ。


マヤは英語が話せない。

きっと苦労することになる。


この苦労は私には痛いほどわかった。


でも、私はもう日本に残る気はなかった。


もっと強くなりたかったから。


日本に来て、何もわからない私は、マヤに頼りっぱなしだった。

周りからは、マヤがいなきゃ何もできなさそうだと思われていた。


そんなイメージを払拭したかったし、胸を張れるくらいの人になりたいと思った。


だから一度アメリカに戻って、成長してから、マヤにもう一度会いたい。


そう、マヤに伝えた。


マヤは悲しそうな顔をしたけど、「わかった。」と言った。


「わたしも、がんばるから。」

マヤは少し震えた声で言った。


うれしかった。


私たちが一緒にいられるのは、あと一年半。

それまではいっぱい思い出をつくろうね、マヤ。


私たちの高2の夏休みが終わった。


マヤとはクラスが違うから、会えるのは昼休みと放課後くらいだった。


じつは、わたしはクラスでひとりぼっちだ。


みんな容姿の違いをそう簡単に受け入れてくれない。


それに黒人系は明るく陽気な性格だと思われているらしく、

私のセンシティブな性格に驚いて、離れていってしまう。


日本に数年いると気が付く。


自分は見た目と中身が合っていないんだな。


そんな自分に嫌気がさす。


そして周りの人たちが憎たらしくなる。



放課後。


「サニー!帰ろー!」


私のクラスに走ってやってきたマヤを見て安心する。


「待ってー!」


いつもどおりだ。

やっぱりマヤじゃなきゃダメだ。


マヤ、ありがとう。


こんな自分は、まだマヤにも言い出せずにいた。


マヤにはこんな私、見せたくないから。

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