マヤサイド
サニーはアメリカ人で、肌の色も髪の質も違う。
だから何だって言うんだ。
私はサニーが転校してきたとき、外国人と話してみたいという、軽い気持ちで話しかけた。
サニーは全然日本語が話せなかった。
私はどうしようかと迷って、家に帰ってから、親と話した。
私はそれから英語を少しだけ勉強するようになった。あとは、絵を描いたり、指を指してサニーに伝えるようにした。
サニーはどんどん日本語を覚えた。
いつのまにか、大の仲良しになっていたし、日本語で会話するようになっていた。
私は英語を勉強する必要はなくなっていた。
先日、サニーがアメリカの大学を受験するかもしれないと言ってきた。
それは衝撃的だった。
これから先もずっと日本にいるものだと思っていたから。
私は手元にあった、模試の結果を見て、思わず、ため息をつく。
「はあ。偏差値56か。これじゃあねえ。」
英語は好きだ。サニーと英語で話せたらな、なんて思いながら勉強していた。
でも、英語だけできても、しょうがない。
それに、こんな成績じゃ、アメリカには行けない...って、私、アメリカ行こうとしてるの?
自分の気持ちに気が付いた。
「サニーと一緒にいたい。ずっと。ずっと一緒にいたい。」
胸がきゅーっとなる。
いますぐ、サニーに伝えなきゃ。
でも、引かれるだろうか。
いや、そんなこと言っている場合ではない。
でも...。
心の中で葛藤する。
ピロン。
LINEだ。
「マヤ、明日のプール何時にする?」