サニーとマヤ
アメリカから引っ越してきてもう4年。
やっと、慣れてきた。
私はサニー。
両親ともアメリカ人だけど、お父さんの仕事で日本に来た。
いつも仲良しなのは、マヤ。
ボーイッシュな女の子。
マヤは中学生の時から、まだ日本語があやふやなわたしにも優しくしてくれた。
何をするにもいつも一緒。
生まれたところは遠く離れているし、育ってきた環境も大きく違う。
そして何より、肌の色とか髪の色とか全然違う。
引っ越してきたばかりの時は、たくさんの人がわたしの見た目を笑った。
いまだにジロジロと見られることもある。
でも、マヤはそんなこと全然気にせず、わたしに話しかけてくれたんだ。
それから、どんどん仲良くなって、日本語も上手くなってきた。
そんな私とマヤのお話。
高2の夏休み。
日本の夏はジメジメ暑い。
まだ好きになれずにいる。
マヤと私は、ここぞとばかりに、遊ぶ約束をたくさんした。
「サニーはバイトしないの?」
「しないよ。少しずつ受験勉強も意識しないとだし。」
「え、サニー、大学行くの?」
「うん。アメリカの大学、行こうかなって。」
「えーーーー!!!アメリカ戻っちゃうの?」
「うーん、まだ考え中だけどね。」
「私もアメリカ行ってみたいなぁ。」
この日はなんだか少し、2人とも感傷的になった。
離れるのが寂しかったのだ。
マヤは私と同じくらい離れたくないって思ってるのかな?
なんて、考えちゃったりして、笑っちゃうよね。
いつもどおり、私の家の前で解散して、「またね」と手を振る。
マヤの声は少し震えていたように聞こえた。