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無双させて下さい  作者: にのまえはじめ
3/6

やった。殺れたんだ。


「おーおー、勝利おめでとさん。


取り敢えずお前は元の集団(むこう)に戻れるよ。」


そう言ってから、耳に口を近付けてこう言う。


「あんたのおかげで少し小遣い稼ぎが出来たよ。」


「ああ。それは良かった。」


小声で返す。


そのまま、兵に案内され戦闘組(ステータスの高い奴ら)の所へ戻る。

最後に兵に忠告される。


「この事、バラすなよ?」


きっと分かっているだろう。

俺が、律儀にそれを守るはずなど無いと。


そしてまず、最初にリーダーシップを執っていた人の所へ向かう。


「すみません。」

「あれ?君は生産職になったんじゃ……」

「落ち着いて、一切声を出さず、無反応で聞いて下さい。」

「!?」


彼は訝しみつつも、俺の剣幕に押され話を聞いてくれるようだ。


「生産職になると連れて行かれた人間は、」


そこで彼が自らの口を抑える。


「自分を除いて全員死亡しました。」


息を飲む音が聞こえた。

彼は短くヴッと声を漏らしていた。


「続けます。

その経緯などを、全員に伝えたいです。


貴方が、「新しく生産職から戻って来た奴も居るし、改めて自己紹介したい。そこで俺ら以外の、国の人が居ると団結に支障が出る。」と言うことを言って欲しい。

俺が言うよりも力があると思う。


良いか?」


彼は少々悩み、そしてそれを承諾した。


「なぁ、みんな!

新しく生産職から戦闘職に来た奴も居るし、ここらで改めて自己紹介しねえか?」


すかさず国の奴が声を挟む。


「それでしたら我々も……」

「いや、良い。

自己紹介もあるけど、お互いを知って団結高めるっつーのもあるから。


それに、正直言うと監視されてるみてぇで気分悪い。

いや、違うって分かってるんだが、こうどこでもついて回られると監視されてるとしか思えねぇ。」


それにより兵は一瞬苦虫を噛み潰すような表情をするが、直ぐに営業スマイルに切り替える。


「それなら仕方ありませんね。」


こうして、全員に事実を周知する機会を手に入れた。



全員集まったら、円陣を組む。

会話が漏れないように。


「良いか?

いきなりで悪いんだが、今から言うことに一切反応しないでくれ。


これは、全員の命に関わる話だ。」


その場が静まり返る。


「まず最初に、


生産職になると連れて行かれた人間は、俺以外全員死んだ。」


ただ、事実のみを淡々と伝える。


「俺は、イカサマで生き残った。


生産職と言われた人間は、モンスターと戦わされた。

生き残った奴だけがこっちに戻ってこれるってことで。


証拠として、俺の戦闘力がある。」


そう言って、俺のステータス、戦闘力9を見せる。


「雑魚を戦闘組に戻すか?


いいや、そんなわけ無い。」


それに対し、気の強そうな女の人が小声で反論する。


「だったらなんでお前がモンスターに勝てたんだよ?」


「言っただろ。

俺はイカサマで生き残ったって。


バトった話は今は置いとく。

それ以上に重大な事があるからだ。」


「国が敵って事?」


「ああ。


それともう一つ。

こっちの方が逼迫してるな。


覚悟して聞いてくれ。」


そう言って、少し間を開ける。


「人を、殺す覚悟はあるか?」


息を飲む音が聞こえる。

微かな嗚咽のような物も。

それを意図的に無視して話を続ける。


「彼奴等にとって、俺達は体の良い兵器でしか無い。

戦争で、殺し合いで使えない兵器をどうする?


答えは一択。"捨てる"だ。


俺らが力をつけるまで、俺らは人を殺す以外の選択肢は無い。」


数名が口を抑え、嗚咽を漏らす。

吐き気を催す話だ。

無理もない。


だが、話を続けねばなるまい。


「それと、兵器が自分の意思で動かぬよう、傀儡にするかも知れない。


ステータスなんてものがある世界だ。

隷属の魔道具みたいなのがあってもおかしくない。


出来るだけ、国から貰った物には手をつけないでくれ。


食事もだ。

麻薬を入れて薬漬けにして操るかも知れない。


思いつく限り最大限の警戒をしてくれ。」


気分が悪い。

そりゃそうだ。

こんな話をしているのだから当然だ。


「却説、此処からは少し明るい話をしよう。


と、その前に。

俺の名誉の為に言っておく。

今から話すのは本当の事だ。

先ほど以上に信じられないかも知れないが。


なぁ、此処に来る前、神にあったか?」


一人が軽く目を見開き、それ以外の全員が首を横に振る。


「そうか。

なぁあんた、誰を助けて何の能力を貰った?」

「正直者の目。

嘘が見える。」

「俺は考える時間。

三時間、時が止まって考える時間が出来る。

動けないけどな。

クールタイムは一時間。」


「そんじゃ、全員にこう聞いてみてくれ。

"この話の内容を他に漏らそうとしているか"」


「……分かった。」


少し口角を上げ、聞いていく。

すると、さっき突っかかってきた女の人の前で止まり、


「この人、()()()()()()()。」


     to be continued

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