海洋神話 Sin and Death
ある日、空の神プルリヤは女神イラナに海の神イルルヤが自分を殺そうとしているから助けてほしいと嘘を吹き込んだ。
イラナは初めのうちは信じなかったが、何度も助けを求めるプルリヤの話を聞いているうちに信じてしまい、殺害に手を貸すことにしてしまった。
空の神プルリヤは女神イラナに大きな宴を開くからそこに海の神イルルヤを連れてきてほしいと伝えた。
女神イラナは強大な力を持つ海の神イルルヤを畏れ、フウパという人間の男を浚って海の神イルルヤの格好をさせてこう言った。
“これから何を言われても相槌しか打ってはいけないよ。もし約束を破ればお前の妻と子とその血族をすべて殺す”
フウパは震えながら頷いた。
空の神プルリヤは女神イラナが連れてきた人間の男を海の神イルルヤだと思い込み、仲直りの宴を楽しもうと杯を交わした。
人間であるフウパはすぐに酔い大泣きを始めた。
“私は浚われてここにきました。助けてください。このままでは妻も子も血族も殺されてしまいます”
空の神プルリヤは口元に指を押し当てると泣くのをやめるように言った。
”シャルマの血を引く者よ。お前は空の神を欺いた。この大罪は見過ごせぬ。お前以外には命の期限を与えよう。死で別つ苦しみを永久に背負い我に祈り跪け”
そう言うとフウパ神界からヤズルカヤの地に堕ちた。