無限ループ
憧れのお姉ちゃんは、死ぬくらい嫌なら殺せばいいと
だけどわたしは殺せなかったので
完全に閉じ込めました
そうしてわたしは閉じ込められました。
『わたし』がゆきを自覚したのは小学5年生の頃
名前はまだなかった
だから『ゆき』と名前をつけました。
その頃いじめも酷く、家庭環境は最悪でした
お家では『良い子』でいなければなりません。
『姉』として、『娘』として。
それがとてつもなくストレスでした
家でも学校でも、度々記憶が飛ぶことが多く
気がついたら『ゆき』が完成していた
人当たりがよく、精神的に強い
小学生の間『わたし』が表に出ることはなく
家では『わたし』学校では『ゆき』
そうしてひとりだけどふたりで楽しく生活していた。
わたしは所謂、多重人格でした
そう、2重では終わらなかったのです。
*
『りんご』を自覚したのは中学生の頃
ゲームをした記憶がないのにログインしていることが多く、不思議に思っていました
ゲームでの『わたし』の印象をきくと
「時々甘えん坊」「守ってあげたくなる」
姫ちゃんキャラだったのです。
そんなつもりもなかった所か
聞いた事があった事すら覚えていませんでした
ついにその時は訪れました。
テレビを見てるかのような『現実』
思い通りに動かない『身体』
りんごに完全にのっとられた。
そう感じました。
そうしたのは紛れもなく自分だったのに。
*
そんなこんなで“本物”の多重人格さんに出会ったのです
その人を見た時に
あ、わたしのしてることは
殻にこもって自分で演じてただけなんだ
って気がつけたんです。
しかし、本当に記憶が飛ぶことがあったのは事実
病院に行こうにもわたしはもう外に出ることはないでしょう
『ゆき』も『りんご』が築いてきた物を壊すからと外に出ないでしょう。
つまりわたしはりんごに全て任せることにしました。
しかしある日
『わたし』に好きな人ができました
《りんごちゃん、わたしあの人と付き合いたい》
そう、言うと頑張ってと快く変わってくれたのです
精神的に弱く、人見知りで何も出来ないわたしはすぐに躓いた。
だって『わたし』精神年齢は中学生だったから
高校生の間『りんご』と『ゆき』が交代ですごしていたから
『わたし』は見ていただけ。
*
いろいろあり、何年も過ごすうちに
その人と付き合うことが出来た
その間ずっと『わたし』がすごしていた
気がついたら『ゆき』も『りんご』も表に出ることなくすごしていた。
幸せな月日が何年かすぎた頃
『わたし』ではたえられなくなるそんな日がきた
《別れていい、だから助けて》
その言葉で反応したのは『りんご』
しかし、もうどうにも出来ないレベルまできていた身体は耐えられなかった
そう、心が潰れるよりも身体が限界を迎えた
《やばい、身体が動かない。困ったなぁ》
みんな試してもだめだった
『ゆき』が行動に移した。
病院に行くといく手段で
そうして、薬を飲みつつ、交代で動き
3人で生きていく無限ループに陥って行った
無理矢理終わらせたので違和感しかないかと思いますが
これ以上は長編になりそうだったので無理矢理終わらせました