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誘(ゆう)憐(れん)弱物(じゃくぶつ)

 話の内容としては、なろうテンプレどころか、非常識な物語を書きますが、

 文章は、できるだけ読みやすいようにと、工夫致します。

 こんな小説ですが、ご覧くだされば、幸いです。

 ※なろうテンプレの風刺小説では、ございません

 ※投稿ペースは不定期です。

 改稿した時期は、2018年4月2日。

 主人公が、泡を吹いて、仰向けで失神していた。


 六畳一間・・・・・・何の変哲もない1LDKで。


 「・・・・・・そこのお主、気絶しておらずに、わらわの話を拝聴しなさい」

 傲慢に話したのは、人に非ざる者。


 白いキトンを身に包み、紅葉の葉で作られた蔦の冠をかぶる女性。

 妖しげな気品と、神々しいオーラを纏っていた。


 その女神は、こことはまた別の世界を管理する存在だ。


 「ん・・・・・・?」

 その主人公は、意識を取り戻し、片まぶたを微かに開けた。

 髪型オールバックの青年。


 そしていきなり、

 「すみませんでした!! 何かオレに不備とかあったでしょうか!!?」

 青年は女神におっかなびっくりに土下座した。

 まるで、別の著者の作品に登場する神様が、転生人に謝る、神様転生物語みたいに・・・・・・。

 ※これは、二次創作物とか風刺小説ではないと、作者は主張しますけど・・・・・・どうでしょうかね~?


 「これ、人間。別に貴様に天罰を喰らわせるために、妾がお越しになったわけではない。面を上げても良いぞ?」

 尊敬語と謙譲語が逆になった話し方をする女神なのでした。


 「では、なぜこの部屋から、急に現れたのですか?」

 顔を床から、女神に向ける主人公。

 

 突拍子もなく出現したのだから、男が驚くのも無理はない。

 それと彼女は、主人公の許可も得ずに、急に瞬間移動テレポートで来たということは、プライベート侵害の不法侵入じゃないか。

 


 「それはな・・・・・・異世界転生についてのことなのだが・・・・・・」


 「ええっ!! オレはまだ死んでいませんよ!? ・・・・・・待てよ・・・・・・もしかしたら自分はもう死んでいて、これからチート能力を授かりに!? 嫌ぁあまだ死にたくないよぉ!! 転生トラックに轢かれた覚えはないよ!!」

 頭を抱えてしまった主人公。情けないの一言に尽きる。

 そしてこれは 小説家になろう の小説だから、異世界転生についての説明は、省きます。


 「話を最後まで拝聴しろ・・・・・・いや別に、妾は主を異世界転生させるなんぞ、一言もおっしゃっておらんぞ? 主はまだ生きている」


 「え?」


 女神は気まずそうな顔を微かに見せて、視線をそらし、長い髪の毛をイジって答える。


 「数十分前にな、妾が担当している転生人が、無茶な『要求』を提示して、それで困ってらっしゃるのだ。妾の与えれる能力を超えた内容のをな・・・・・・」


 呆然とする主人公。

 

 女神は続けて

 「それで噂には聞いたのだが、お主は多種多様な『宝』を持っていると・・・・・・なんか『持っている人の危険時に自動で時間を巻き戻す道具』や『自分に殺意を抱いた生き物を爆破させる魔導書』とか無いのか・・・・・・?」

 ようはその女神は、自分の能力スペックを超える頼み事をされており困り果て、ただの人間に助けを求めてきたのだ。完全に上から目線だが・・・・・・。


 「ん~・・・・・・残念ながら無いですね~・・・・・・」


 「そうか・・・・・・」


 「たっだ・・・・・・なんか似ているようなものが、有ったような・・・・・・ちょいとお待ちを」

 青年は立ち上がり、押入れを開けた。

 上の段には布団がある・・・・・・これは普通のことだが、異常なのは下の段に置かれたダンボール内だ。


 魔窟巣窟・・・・・・箱の中に乱雑に入れられたのは、数多な本の数々、金属木製あらゆる杖、家電量販店で売られてなさそうな胡散臭い電子機器、ガラス瓶に入れている丸薬、繊細的な装飾品、エトセトラ。


 「・・・・・・これはすごいな。機械類は妾は疎いが、他は魔道具やら神器の類だな? しかも相当な上物・・・・・・」

 女神は、驚きを隠せない。

 「これらはどこで手に入れたのだ?」


 「オレには、ちょっとした『知人』がたくさんいて、彼らから、いろんないらないものをもらうんすよ」

 男は品々を探りながら、女神の質問に返答する。


 「・・・・・・あった、これらなんか如何で?」

 男は振り返った。手に持っていたものは何の変哲もない砂時計と赤色の羽。


 「妾がご覧になっただけでもわかるぞ、それらはとてつもない力が備わっていることくらいにはな・・・・・・」

 無意識に自分の顎を手で触る女神。

 「どういう能力を持っているのだ?」



 「砂時計の方は、自動タイプではありませんが、ひっくり返して使うと、いくらでも自在に過去に戻れます。羽は、着衣に刺すだけで、身につけている人のグループに、敵対心を持っている相手全員を、戦意を喪失させます。爆破させるよりかは、人道的で?」

 羽は別として、砂時計はどっかから訴えられてもおかしくないくらいベタベタだな。


 「それらを妾に差し上げても良いのだぞ?」

 どこまでも傲慢な女神。


 「まあ一般ピープルのオレが持っても仕方ないもので・・・・・・どうぞ」 

 男は女神に手渡しをした。


 「まあ礼はおっしゃってやる。ところで褒美を与えたいのだがどうだ人間? 二つは叶えて頂けるぞ?」


 「そうですね~やっぱり・・・・・・」

 青年の男は、腕を組みました。


 「妾の知人が言うには、主は確か、学習能力は中の下、視力聴力悪し、運動能力は学校で常に下位。もちろん泳げず、料理・音楽・芸術音痴、猫犬その他諸々アレルギー持ち、精神のタフさもなく、五臓六腑の強さも微弱、病気になりやすい体質で、ゲームも下手の横好き・・・・・・短所ばかりではないか、じっくり考えるが良い」


 あ、青年の男泣いた。

 

 「あっいや、主は結構品位はあると思うぞ? 他にも思いやりとかは・・・・・・な?」

 さすがに女神も気の毒だと思い、フォローを入れる。


 「まあ決まってますけどね、願い事。じゃあ言いますよ」

 そう男はハンカチで涙を拭い、言葉を続ける。

 

 「あなたの『知り合い』を、オレに紹介して欲しく・・・・・・あと何か珍しいけど捨てる予定の『廃棄物』とかありましたなら、譲ってくれないでしょうか?」


 男の願い事を聞いた女神は、

 「主・・・・・・名は?」

 尋ねる。

 いや本当は知っているくせに・・・・・・。


 

 「虎威とらい 稲荷いなりです」


 

 「そうか、妾は自らの名を、人間ごときにご教授しないがな。まあ二つとも叶えてやるぞ。そうか虎威か・・・・・・」

 

 「主の短所をもう一つ加えておく、長所もな。『奴』よりも実はどうしようもなくがめつくて、善人面をうまく冠る天性の持ち主だとな・・・・・・フフッ」

 女神は気品良く嘲り、


 「買いかぶりですよ、よろしくお願い致します」

 人間は卑しく微笑んだ。

 ありがとうございました。

※第一話の語り手役であるキャラクターの正体は、まだ秘密です。

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