とりあえず人間観察
次の日から、とりあえずいろいろと観察してみることにした。
まず、ここがどこで俺は誰なのか知る必要があったからだ。俺を抱きかかえた女の人は見る限り庭の手入れをしているみたいだ。花に水をやったりしているのだが、目を疑った。いきなり手の上に水のかたまりが現れ、そこから花に向けて水を放っている・・・。魔法だ・・・。この世界は、異世界なんだ。俺は一瞬にして理解した。その隣で剣の素振りをしているがたいの良い筋肉ムキムキの人・・・。見るからに強そうである。まあ、この世界が魔法を使えるということはちょっと面白そうだな。
どうすれば使えるんだろうか・・・。なんか呪文とかいるのかな?ま、とりあえずやってみるか・・・。
えーっとイメージはホースから出てくる水のイメージで・・・・あの机の上のコップを狙ってみるか・・・
ドっバーーー
まさかの成功とともに家の壁を破壊・・・。ちょっと威力が強すぎたみたいだ。それに驚いて、5人ぐらい部屋に集まってきた。
「○×▼※~~」
「○×▼※~~」
「○×▼※~~」
なんか、みんないろいろ言ってるみたいだけど
うん何言ってるかわかりませーん
早急に言語を理解しないといけないみたいだな
といううか、そこの白髪の爺さんがみるみる穴が開いた部屋を元通りに戻していく。これも魔法なんだろうか?そして、なんかいろいろしゃっべってた人たちが俺に視線を落とした。
さすがにこんな生後間もない赤子に魔法が使えるわけがないというような内容なのだろう。勘だが。
まあ、たしかに「言葉をしゃべるよりも早く魔法を、こんな部屋の壁ぶち破る威力で使えるわけがない」と常識的に考えてそうだろう。
その後もいろいろと話していたようだが、わけもわからずこの赤子なわけがないという事で真相不明のまま話し合いが終わったらしい。
とりあえず落ち着くために暖炉に火をつけ食事タイムらしい。火をつけるのも魔法なんだな・・・。現代の日本で魔法が使えてたら放火犯とかうじゃうじゃいたんだろうな。俺も火出せんのかな?さっき水でたし多分出るよな?てことで、手を上に向けて火のイメージをする。
すると
ボォウッ
天井に火がうつちゃった。火消さないとな、水
バッシャ
あ、天井に穴が開いてしまった。たしかあの爺さん壁元通りに直してたな・・・じゃあ俺にもできるんじゃね?元の天井をイメージして・・・
成功!元通りだな・・・良かった。と同時に騒がしい声。その光景見ていたらしくを口を開けてポカンと俺のことを見ている5人・・・。一瞬の沈黙の後、大騒ぎだ。爺さんはなんか嬉しそうだし、女の人はまだフリーズしてるし、筋肉の人はウソだろみたいな顔してるし、ロングの髪のお姉さんはなんか恐怖におびえてるし、すこし身分の高いような服を着ているおじさんは、白髪の爺さんと盛り上がっていた。