1-1-3 たかられた
・なんて一日だよ...」
そういう俺の背中はさぞかし哀愁に包まれていることだろう。
誰だ、出席番号と日にちをリンクさせて答えさせるシステムを作った奴
怒らないからでてきなさい。殴ってやる。
授業も半ばを過ぎた頃、先生がプリント学習を始めたタイミングで
俺は廊下から帰投することを許された。
「朝から災難だったなー秋澄ー」
となりの席の帆高智実が苦笑い
「これ、授業内容まとめておいたぞー」
「マジでこれはありがたい!!」
手を伸ばすと
「さて...これをどうするかは今、俺の手にかかっている...」
「はぁっ!?」
「等価交換の法則だぜ?秋澄クン?」
まったく、こんな性格なのにこの一か月で5人の女子に告られて、その全てにNOと答えてるんだからむかつくというか・・
しかし根はいい奴なのだ。多分...
「さぁさぁ・・♪」
くっ…四月のこの段階で授業に遅れるのはまずい…
「購買部の極上カレーパンでどうだ?」
「一つかい?」
「ふ、二つ」
「よし、手を打とう」
「よっしゃ!」
「さて…ここに二枚目があるんだが…」
「帆高!?てめぇ!!」
奴のノートは3枚もあった…。
放課後になると、校内は活気を増す。
校内にある百以上の部活動が、新入生を奪い合い、
校則スレスレの戦いを繰り広げているそうである。
なぜ他人事かというと、他人事だからである。
中学でも部活には入っていなかったし、別に入る気もしない
てか入るの絶対ヤダ!
なんだか言い訳がましいが、運動神経はいいほうである。
運動テストでもAかBだ...
なら文化部はどうだと言うだろう。
文化部も文化部で...なんかやだ。
そんな言い訳を脳内で繰り返しながら校内を歩いていると
「...あ”...」
廊下を掛けていく金髪が見えた。
まぁ俺も大人だ...もう高校生だぞ?出会いがしらに怒ったりはしない
まぁ軽く注意してやるだけだ。
後で帆高から聞いたところ、この時の俺は見たことがないゲス顔をしていたそうだ