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撤退

 俺たち4班はコウゾイレ隊撃退後、山を下り、どうにかして本部との連絡を取った。事情を話した後、撤退の命令が出され、生き残った班や者はヘリで本部へと帰還した。

 「それにしても、随分とあっさりと還してくれくれましたね師匠。」とプッコが言った。

 「俺たちが逃げれたのも、奴らの思惑通りだろう。でなければ、こうやすやすと還してもらえる訳がないからな。」ラサは断言した。

 「それよりも、気になるのは裏切り者だ。考えたくはないが恐らくは・・・。」ラサが名前を言いかけた途端にプッコが「3班でしょう。」そう言い放った。

 「・・・だろうな。全滅させられた可能性もあるが、未だに連絡が1人も取れない。それにこれだけの情報が流出していることを考えると、3班の可能性が濃厚。5班から、「敵と接触していたところを目撃した。」との情報もある。しかし、気になるところはそこじゃない。なぜ、裏切ったか、だ。」

 ラサは少し俯きながら考え出した。

 こうなってしまってはしばらく会話は無理だ。プッコは代わりに研究室に宇宙人達の死体を持って行った。


 ー研究室、ここでは日々エイリアンの解析を進めている。時折、叫び声などが聞こえる不気味な場所だ。

 「おお、ご苦労さん。ラサはいないようだが・・・どうかしたのかね?」このご年配の老人は研究機関の最高責任者、キッショであった。

 プッコは死体を渡し、簡潔に理由を述べた。

 「ほほう、なんともあやつらしい理由じゃのう。奴が考え事をしているときは正に馬耳東風じゃからな。」そういうと、キッショは奥の部屋へとせっせと戻っていった。

 研究室から退室をすると、突然、アナウンスが掛かった。「これより、会議を行ないます。帰還した者は作戦会議室に来るように。」


 -プッコ他生き残った班員達は一斉に作戦室に集まった。「大失態だな。」この偉そうな態度をとった中年は軍の中でもトップに当たる司令官、名はソビ。

 数多の実績を持つ、これでもかなりできる司令官だ。

 「再出撃の目処が立った、約2か月後だそうだがー、お前らにできるのか?」追い詰めるような口調で、まるで投げつけるかのように言い放つ。

 「これは命のやり取りだぁ。失敗は許されないーいや許されるべきではない!!」ソビの声が、部屋中に響き渡った。

 「・・・まあいい今日はこれ位にしてやろう。次からは失敗は許されない!分かったか!!」 「はい!!」 それぞれの隊員が返事をした後、司令官は自分の部屋に戻っていった。

 しばらくしてから史覇が「くそ!!黙って聞いていれば偉そうに!!奴はただ指示を与えているだけで、奴自身は戦場に立っていないではないか!!」史覇は周りに怒り散らしながら言うと、退室し、自分の部屋に戻っていった。

 だが、史覇の気持ちも分からなくはなかった。それぞれが命がけで戦っているからだ。そうしていくうちに周りには淀んだ空気が蔓延していった。

 そんな中、第2班の隊員トスートがムードを出してくれたおかげで、少しみんなの気持ちが楽になった。

 しばらく時間を置いた後、3班が敵と接触しているところを目撃したという5班の班長、ロトスに話を聞いた。

 「ああ、間違いない。俺たち5班が必死に戦っている間に、人気のない森の中で会話をしている瞬間を確かに俺は目撃した!!会話までは聞き取れなかったがなくそぅったれ!!」

 五班は、今回の戦いで一人、仲間を失った。もしあの場で、何の指示もなしに飛び込んでいけば俺たちの班もそうなったかもしれない。プッコは心の中でそう思った。

 4班は、手に入れた情報をまとめ、本部に提出した。今後、裏切り者が出ないように対策を考えるらしい。

 提出を終えた後、ラサが4班を訓練室に呼びかけた。「みんなよく聞いてくれ、今から<新兵器>取り扱いの訓練を開始する。

 

 -それから2か月後、遂にリベンジ戦が開始されようとしていた。

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