第一話 突然すぎる告白?!
みーん、みんみーん。
じりじり、じりじり。
蝉の音がする。本当にうるさい季節が来たもんだ。でも、この音がなければ、夏を実感できないんだけどね。
今年で高校生になってから2回目の夏が来た。部活はやってない。勉強もめんどくさいのでテキトーな感じで、いつも寝てばっかいる。
俺の名は、ナマケモノ。
って、違うわっ‼︎ 本名は、村崎知。今年で高校2年になる。いつも寝ているせいか、みんなから″眠りの帝王″という不名誉なあだ名を付けられてしまった。
俺の隣に座っているのは、泣山柚成。はじめましての人だ。特に目立つところもなく、どちらかというと、少しおとなしい感じの人だった。
俺には友だちがいない。時々、話すことはあるけど、一緒に遊ぶことはない。今日も、そんな時間が過ぎると思っていた。でも、違った。
珍しく、女子から声をかけられた。小学生以来だな、と思いながら、声のする方へ振り向く。そこには、隣の席の柚成さんが立っていた。柚成さんは、俺の耳元に近づき、そして、ささやいた。
「…あの、放課後、屋上に来てくれませんか?」
俺はうなずいた。その時、俺の心はドキドキ感でいっぱいだった。なにしろ、女子と話すのだって、久しぶりなうえに、王道の屋上に来いパターン。彼女いない歴=年齢の俺にとって、このうえないチャンスと思った。
期待が高まる。早く授業おわらないかな。そう思いながら、1時間目の授業が始まった。