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試験前の明け方に―

 明け方― 


「黒水晶はあと一つ! おそらくこのあたりに……」  

 日の出が近づく空に、一つの人影があった。 

 人影の背中の辺りにはコウモリの様な翼が見えている。 

 人影は手にしている古めかしい杖を見つめた。先端には青く透き通った宝石の様な物が付いていて、それがずいぶんと輝いている。  

「あっ! 反応が強くなってる! じゃぁ、もうすぐ近くに…」 


 ゴンッ! 


「!!!」  


 彼女は突然空中で静止したかと思うと、頭を抱えてもがきだした。何か、壁のような物に頭をぶつけたようだ。おでこの辺りが見事に腫れ上がっている。 

「いったーい!!! 何でこんな所に魔法結界がはってあるのさぁ!?」  

 彼女はおでこの辺りを押さえながら辺りをさすった。どうやらこの辺一体、魔法結界が張られている様だ。 

「これじゃぁ先に進めないなぁ。でも………」 

 彼女はまた杖を見つめた。先端の宝石はずいぶん輝きを増している。 

 暫く見つめていると、彼女は一つの結論を出した。 

「よーし! 行動しなきゃ始まらないっと!!」 

 彼女は結界に向かって杖を前に差し出す。

 そして、その杖の宝石に向かって魔力を送り始めた。宝石はだんだん色を変え、緑の輝きを発し始める……。 

「いっけぇぇーー!!」 

 叫んだ瞬間、宝石から緑の閃光が放たれた。 

 閃光は束になって結界にぶち当たったとたん…… 


 バチィィ! 


 そんな鋭い音がした同時に、そこにはシュウシュウと音を立て、大きな穴をぽっかり開けている無惨な結界の姿があった。 

「よーし。OK。さっさと探さないと!」 

 少女はそう言うと、結界にあいた大きな穴を潜り抜けて、中へと入っていった。 













「おっかしぃなぁー。この辺りのはずなんだけど………」 

 暫くして、今度は背中に鳥類のごとき翼をはやした少年が結界の辺りにやってきた。 

 彼は結界に気づいてから、どこか抜け道はないかとさっきから探し回っていた。

 とその時。 

「あっ。」 

 探し回って彼が見つけたのは、まだ微かにシュウシュウと音を立てて、ぽっかり穴の開いた箇所だった。 

「よかったー。これで後一冊の白の魔導書も見つかる」 

 そう呟いて、彼も又その穴から中へと入っていった。 





 そしていよいよ夜が明ける………… 

 今日、ここで行われるのは、魔導養成スクールに入学希望書を出した、一人の子どもの入学試験―――

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