表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第二話

「ねぇ、楓は部活きめたの?」

放課後になるとマリがあたしの席の前にきた。

今日は散々だった。どの授業も説明、説明、説明!そーか、この後部活見学か~。

「ん~どしよっかなあ。体操とか?」

「おっ、私も体操いきたいっ」

マリが決定!と言いながらあたしの腕をひっつかんだ。

そして体操部に一直線で向かった。体育館につくと、体操部のところには一年生が山のように集まっていた。うわ、多っ!

先輩達はグニャリと体を動かす。柔らか!周りから感嘆の声があがる。あたしとマリはぽかんと口を開いていた。


「さて、次どこいく~?」

部活見学は一日に何度もまわれる。なのであたし達は違うところも見学する事にした。

「階段で休も~あたし体操にお姉ちゃんがいるから入るって決めてるんだよ」

「へえ、まあ休むか!」

マリは階段に座ると、はーっ、とため息をついた。そして言葉をつぐむ。

「はっきりゆーとレベル高すぎるっ!」

まあ、それは共感だな。あたしもできるか心配だもん。だけど体操しか入るとこないんだよなー。

「あれ、あんた達!」

聞き覚えのある声が響いた。振り向くと、やはり恵先生だった。

「あんたら、なにサボってんの?」

「や、行くとこなくて…」

マリがもう一度ため息をつく。すると恵先生が、ニヤリと笑った。

「んじゃあ、ついてきて!」

あたしとマリは、恵先生に手を引っ張られながらある部についた。

カンッ!

ピンボールが、ラケットと響き合うような音。一目で分かった。

卓球部だ。

見ると一年生は二、三人程度だ。恵先生はコツコツと前に出ると叫んだ。

「おら、拓也!体がなまってる!外周五周してこいやっ!」

「は、はいっ」

拓也と呼ばれた先輩が外へ向かった。先生は他の先輩も見渡す。え、もしかして。

「先生、卓球部の顧問っ⁈」

「ああ、そーだよ。悪いか」

それであたしらを連れてきたってゆーことは…、

「入れって意味だよね」

マリが代わりに答えた。それしかないよねえ…。あたし卓球なんなしたことないしっ!無理無理無理っ!

マリもあり得ないという顔で首をふっている。マリも初心者のようだ。でもま、見るとこないし。

とりあえずその日の残り時間はすべて卓球部の見学で終えた。


一週間もある見学は、すべて体操卓球につくした。そして仮入部。仮入部はウチの学校は二回しかない。だからまず、体操にする事にした。

「あー唯の妹?」

「はいっ、唯の妹でっす…!」

明るめにした方がいーのかな?と思い、高めの口調であいさつした。そして仮入部が始まった。


「いででででっ!」

あちこちで悲鳴があがる。そりゃそうだろう。なんせ、ものすごく痛いのだから。

体操部では柔軟を行った。足を開くだけ開いて、真ん中に体をたおす!これがものすごく痛い。

「はあ、はあ…」

マリも息が荒い。毎日こんな事してんのっ⁈三年生の先輩をチラリと見ると、前宙を軽々としている。鉄棒ではけあがりをしていた。もちろん柔軟性もあった。

「……。」

無理だな。直感で思った。あたしにここは合わない。

その夜

「楓!あんた、春にタメ口きいた?怒ってたよ?唯の妹生意気だーって」

は、ああああ⁈

あたしが生意気ィ?どこが!春とやら、てめえとしゃべった覚えはねーよ!おら。

とまあ、いろいろ思ったが心にしまった。

「へーどこが?」

「なんか『でぇ~す』とか言ってたって」

それタメ口にはいんのお?意味わかんねえ!しかもあれは明るい性格の方やりやすいかなーって気ィ使っていったんだぞ⁈

もー絶対体操部なんか入るもんかっ!


「って事でぇ~体操部はなしね!」

「…私もう親にも言ったのですが…」

「だーいじょーぶだあて!」

あたしは言いながらマリの背中をポンポン叩いた。マリはため息をついた後、じゃあどこにするの?と、あたしに問いかけた。

「えーと、あ、卓球は⁈」

「卓球ぅ⁈私した事ないよ」

「あたしもない」

そういうと、マリはやれやれ、と頷いた。やったあ!そして最終日の今日は卓球部に行くとこにした。

「お願いしま…多っ⁈」

見ると卓球部には十五人くらい一年生がいた。どーゆー事お⁈

「あら、伊吹、上野。きたのね」

恵先生が、あたしたちをみるなりつぶやいた。あたしはすぐさま恵先生のもとに駆け寄った。

「人数多くないですかっ⁈」

「そぉーなのよねぇ。いきなり増えてさ、追い出したいのよねぇ。だけど第一希望に絶対入るしさ

あ」

ため息混じりに恵先生はつぶやく。すごい追い出したいようだ。

まーそーだよな!

「あーでも伊吹さん達には入ってほしいわ!」

恵先生が、手をグッジョブさせる。じゃあ、あれだ


あたし、ここに入るしかないじゃん!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ