凄腕エージェント“ファントムオーナイン“の活躍
『エージェント“ファントムオーナイン“、君に緊急かつ重大なミッションを依頼したい。
先日、敵の組織にエージェント“コードナンバー7“が捕まった。自害にも失敗し、現在敵組織の本部アジト最奥部で、厳しい尋問を受けている。
歴戦のエージェントとはいえ、彼らの尋問に屈するのは時間の問題だ。そうなれば我々の組織は壊滅を免れ得ない。
そこで君には、敵の本部アジトに侵入し、“7“の【処分】を依頼したい。救出ではなく処分だ。このような失態を冒したエージェントを生かしておく必要は無い。
敵本部の警備は厳重だ。大変困難なミッションであり、他のエージェントでは遂行は不可能だ。
その名の通り、我々にも素性を明かさず、万に一つの失敗も無い“ファントムオーナイン“、君だけが頼りだ。
事は一刻を争う。至急任務にあたってくれ。』
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………。
大掃除の最中にこんな手紙見つけるなんてなぁ。あとで読もうと思って忘れてたわ。
消印は…三年前かぁ。もう遅いだろうなぁ。
最近組織から連絡が無いから、おかしいとは思ってたけど…俺のせいだったかぁ…。
もう壊滅してるよなー、組織。…はぁ。
でもさ。いくらカモフラージュの為とはいえ、封筒の表書きが
『焼肉大将 会員登録更新のお知らせ』
はどうなのよ?
こんな手紙急いで読まんわ。むしろ取っておいた俺を褒めてほしいわ。
はぁ…まあ、今更どうにもならんな。
図らずもエージェント稼業から足を洗えた事を喜ぶとするか。
『お父さーん、そっちの部屋の片付け終わった? 換気扇の掃除をお願いしたいの。』
「ああ分かった。今行くよ。」
いまは大掃除ミッションを遂行しよう。
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『“コードナンバー7“君、解放だ。』
『我々の【捜査】にご協力いただき感謝するよ。ふふふ。これで君たちの組織もおしまいだ。
お礼と言ってはなんだが、君には自由を提供しようじゃないか。
そうそう。君の組織は、君の【処分】に躍起になっていたようだよ。かの有名な“ファントムオーナイン“に、君の処分を依頼する為、必死にコンタクトを取ろうとしたようだ。
でも失敗した。何故か彼はその依頼を受けなかったんだ。
命拾いしたね君。
ではさようなら、“コードナンバー7“君。
君のこれからの人生に幸多からんことを。』
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「うぃ〜。」
「あ、きたきた。それじゃあ換気扇掃除、お願いね。」
「いま終わらせてきたよ。」
「えっ、早っ!!」
私の旦那様は、仕事も家事も子育ても迅速かつ完璧なスーパー旦那様。
こんな旦那様に愛されて毎日が幸せだ。
私は“コードナンバー7“の時には望み得なかった幸せな日常を手に入れた。
これも“ファントムオーナイン“が私を処分する依頼を受けなかったおかげ。
“ファントムオーナイン“と旦那様。私の幸せを運んできてくれた二人には感謝しかない。
おしまい




