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24話 道草を食う④ アベルの思い

ユウ「ごめんね、突然来ちゃって」



レイ「ううん、大丈夫だよ」

「それで、話って?」



ユウ「うん」

「実は…1つお願いしたいことがあって」



レイ「うん」



ユウ「明日の決勝で、アベルに勝ちを譲ってほしい」

「お願いします」

ユウは頭を下げる



レイ「え?…」

「どういうこと?」



ユウ「明日の決勝で…アベルに勝ちを譲ってほしいんだ」

「お願い」

ユウは頭を下げ続ける



レイ「…あの……とりあえず頭上げてよ」




ユウはゆっくり頭を上げる




レイ「何で…勝ちを譲ってほしいの?」



ユウ「実は・・・」


ユウは事情を話した

優勝できなければアベルが学園を辞めること

最初は自分が勝ちを譲るつもりだったこと

アベルの父と話すも状況が変わらなかったこと







レイ(俺の知らないところで…そんなことが…)

レイはそんなことを考える








レイ「…分かった」



ユウ「!」



レイ「ユウさんの言う通りにするよ」



ユウ「レイ君…ごめんね」

「ありがとう」



レイ「うん…じゃあ俺はどうすればいいの?」



ユウ「明日の試合は棄権してほしい」



レイ「分かった」

「アベル君は、この事知ってるの?」



ユウ「勝ちを譲ること?」



レイ「うん」



ユウ「知らないよ」



レイ「…そうなんだ」







 









決勝当日


スタジアムの待合室



ローゼ「アベル、レイは決勝戦を棄権するらしい」


アベル「は?…どうしてですか?」


ローゼ「どうやら体調が優れないらしい」


アベル「昨日は元気そうでしたけど」


ローゼ「詳しいことは私にも分からない」


アベル「寮に様子を見に行きます」

「俺が帰ってくるまで待ってて下さい」


ローゼ「…分かった、急げよ」


アベル「はい」



アベルは寮に向け走った
















コンコン


アベルがレイの部屋のドアを叩く



アベル「アベルだ、居るか?」



レイ「アベル君…どうしたの?」

レイは嘘がばれないように、慎重に話す



アベル「昨日まで元気だったやつが急に体調不良になったって聞いたからな」

「心配になったんだ」



レイ「そっか、大丈夫だよ」

「ごめんね、心配かけて」



アベル「決勝には出れないのか?」



レイ「それは…無理そう」

「ごめん」



アベル「そうか…」

「じゃあ、1回だけ顔を見せてくれ」



レイ「え?」



アベル「これでも決勝に向けて入念に準備してきたんだ」

「その気持ちに区切りをつけるために、対戦相手の顔くらい(おが)ませろ」



レイ「うん…分かった」


レイはドアを開け顔を外に出す


すると、アベルはいきなりドアを掴む





レイ「え?」



アベル「ユウから何か聞いたか?」



レイ「?!」



アベル「笑」

「分かりやすいな」



レイ「いや…なんのことか」



アベル「…まぁいい」

「少し邪魔するぞ」



レイ「ちょっと?!」












レイはベットに腰掛け、アベルはその前に立つ


レイ「アベル君…」



アベル「今から言うのは俺の独り言だ」



レイ「…」



アベル「俺は父さんと、魔法戦で優勝出来なければ学園を辞めるという約束をしてる」

「理由は、俺の夢のことだ」


「俺は、人と魔法使いが分かり合う世界を実現させたいと思ってる」


「俺の父さんは、この夢に反対しているんだ」

「その理由は、母さんのことだろう」


「俺がいま話した夢は、元々母さんの夢だったんだ」


「母さんはいつも言ってた」

「魔法は人を助けるためにあるって」


「そういうことを笑顔で言える人だったから、人と魔法使いの間に溝があるこの世界を、変えたかったんだと思う」








「でも、結局その願いは叶えられなかった」





「母さんは仕事中に、3人の人間に襲われて死んだ」

「犯人達は、魔法使いをこの世界に存在してはいけない呪われた者だと、忌み嫌っている連中だった」

「魔法使いなら誰でもよかったと、裁判で証言していた」





「変だろ?」

「いくら3対1だからって、普通魔法使いは人間に負けない」

「法律上は、自衛の為ならある程度の魔法の使用は許可されているしな」






「犯人達が、母さんは魔法で反撃してこなかったと証言した」

「最初は、そんなわけがないと思った」

「でも、反撃していれば少なくとも生きて帰れたはずだ」

「そうなってないってことは、証言は真実なんだろう」



「だから俺は、何かの理由で反撃できなかったんだと思った」

「でも、いろんな証言と証拠を見て分かった」

「母さんは反撃できなかったんじゃなくて、しなかったんだと」



「父さんも、同じことを考えたんだと思う」


「だから、俺が母さんの夢を引き継ぐのを止めたいんだろう」





「でも俺は、諦めるつもりはない」

「父さんに何を言われてもな」



「でもこれ以上、父さんを苦しめたくないとも思うんだ」







アベル「だからせめて、自分の力を証明して父さんに安心してもらいたい」

「そのために俺は、魔法戦で勝って優勝したい」

「だから、俺と戦ってほしい」



レイ「戦って…」

「もし、学園を辞めることになったら」



アベル「もう勝った時のことを考えるとは、随分自信があるんだな」



レイ「いやっ!、そういうわけじゃ…」



アベル「負けるならそれでもいい」

「仮に学園を辞めても、俺は夢を諦めるつもりはないからな」



レイ「…」



アベル「まぁ、勝つのは俺だがな」





























ローゼ「決勝戦」

「レイ・ブルーメ」

「アベル・ヴィンデ」







「よーい、始め!」



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