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東雲誠也のメモ帳
これはいつものメモ帳に記したものではない。
何が何だか俺にも分からなかった。
あの不思議なメモ帳とボールペンは、突然嘘のように消えてしまった。
屋敷から脱出したことが、何かのトリガーになったのか。それとも時間が経つと消えてしまうものだったのか。
今となっては、それも分からない。
たかが日記だ。消えたところで痛くも痒くもないだろう。
初日の俺だったら、きっとそう思っていた。
しかし不思議なものだ。俺が書いていない日もあるというのに、俺は日記が消えたことに大きなショックを受けている。
自分の半身が消えたぐらいのダメージだ。
この世界には謎が多い。むしろ多すぎて困る。
果たして俺が元の世界に戻れるのか、その保証すらない。
そんな中で、俺はこれから生きていかなくてはならないのだ。
日記があろうとなかろうと、俺の人生はこれからも続いていく。
いつかこの紙切れを見つけた俺の為に、そういう日記があったという事実だけを残しておく。
願わくば、これを元の世界で見ていますように。
東雲誠也




