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【3章完結】自宅が最難関ダンジョンの隠し部屋になった件〜隠し部屋で最低限学んだスキルは、どうやら地上では強すぎるらしい〜  作者: もかの
第2章.万物を焼き尽くす翼

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第97話.ホリー

 リアの完全再生(パーフェクト・リプロ)をホリーに施して、3時間ほどが経過した。ホリーが目を覚ましたという一報が遥斗たちに入ると、6人はすぐにホリーの下へと駆けつける。


 病室に到着すると、ホリーの仲間たち(兄妹はテレビで見かけていたため、すぐに分かった)が既に来ていた。


 こちらに気付いたホリーが声をかけてくる。


『強靭な刃の皆、特にリア。この傷……にまとめてもいいかは分からないが、治療してくれて本当にありがとう』

「いえいえ、同じ冒険者なのですから。助け合うのは当然のことですよ」

『それにしても、すごい魔法だ……傷一つ残ってないし、違和感も無い……』

「ふふ、それはよかったです」


 一通り会話をすると、次は無名の兄妹に視線を向ける。


『君らはもしかして例の──?』

「そうだよホリー。彼らが本当のストラ攻略者だよ。あの兄妹がいなければ、僕ら強靭な刃は今生きていない」


 一瞬、スーザに正体をバラされたかと思ったが、とても上位の冒険者には知らされているのかもしれない。


 とはいえ、後で千里に言及するものが増えたことに変わりないが。


『ダンジョンの中じゃないから詳しくは分からないが、よくても俺と同じくらいに感じるが……』

「あーそれはもしかしたら……っと、これ以上はだめかな?」

「ですです。ホリーさんには申し訳ないですが、プライバシーですので」

『ああ、俺も強要してまで聞くつもりはないぜ。ストラを攻略した、って事実には変わりないからな』


 冒険者上位の人は、実力だけでなく、人間性としても素晴らしいものである。


 おそらくホリーが感じた違和感は職業によるものだろう。今、兄弟の職業は『剣士』と『魔法使い』。ある程度なら、職業レベルを上げているが、当然『剣聖』と『魔道士』のレベルの方が高い。


 ただ、このことを公表すれば、自分たちのペースでダンジョン攻略を行うことが不可能になると考えられる。教えるわけにはいかないのだ。


『……お前たちも、アナスターシャに挑むのか?』


 雑談は終わり、真面目な口調でそう聞いてくる。


「まあ、その予定だよ」

『……別に強靭な刃をナメているわけじゃないが1つ言わせてくれ』

「大丈夫。ホリーがそんな事するような人じゃないのは、みんな分かってるよ」

『……無理だ』

「え」

『強靭な刃では、《《ヤツ》》には勝てない』

「え、もしかしてホリーは、ボスと会ってるの?!」


 アナスターシャは、謎が多いことでも有名だ。他の主要ダンジョンも謎は多いが、アナスターシャは意味が違う。


 かなり初期の段階で、ストラで言う黄金のファイトブル的な存在が見つかり、攻略が進むと思われたが、討伐しても何も起こらなかった。


 その後、似たような存在がもう数体見つかったが、結果は変わらず。


 しかし、ホリーがボスと戦ったとなると、一気に状況は変わる。消耗品であるアイテムをボス戦に多く持ち込めるからだ。


 しかし、気になるのはあの言葉。


「なんでホリーはそう思うの?」

『……空を、飛ぶんだ』

「……なるほどねぇ」


 強靭な刃の内、スーザとガルムは近接攻撃専門だ。リアは回復役であり、ミュウだけが唯一攻撃できる、といったところだ。


 それならば、ホリーの言い分もよく分かる。


「うーん、たしかに厳しいなぁ……」

『ほんとだよな。俺らも空飛べたらいいんだがな……』

「ですねぇ……俺と紬は飛べますけど……」

「まぁ、そうだよねぇ……って、ん!?」


 その場の全員の視線が兄弟に集まる。


「え、だって、スーザさんたちは見たでしょう? 紬が空飛んでるところ」

「……あ〜」

「俺も飛べますって」


 実際は飛ぶとは少し違うが、そこまで伝える必要はないだろう。


「……ホリー、これならもしかして……?」

『……あぁ、ストラを攻略した実力者なんだ。これはいけるかもしれねぇ!!!』


 そこから始まった、兄弟を中心とした作戦会議は夜まで続いたという──。

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▽▽▽1年振りの完全新作の長編ラブコメです!!! 面白いよ!!!!▽▽▽
同じ高校に通うことになったネッ友2人は、絶世の美少女でした〜高校で堂々と迫ってくるんだけど、周囲の目がヤバいのでやめてくれませんか!?〜
▽▽▽異世界ファンタジーの短編です! めっちゃ面白いです!!▽▽▽
パーティー全員クセ強なろう系主人公でも、ちゃんと冒険は成立するのか
+注意+

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