第91話.お久しぶりです
6人は朔に感謝を伝え、小春喫茶を後にした。
その後、強靭な刃の4人はこの後雑誌の取材があるとのことで、こちらとも別れる。
兄妹は顔を隠していたことで気づかれていない素顔のまま、アスタへと戻っていた。その道中で、2人は雑誌について話していた。
「仲良くさせてもらってるけど、一応アレ日本トップパーティーなんだもんな」
「そっかぁ……有名冒険者なら雑誌の取材があるのかぁ……」
今もなお人気が上がり続けている職業、冒険者。今ではコンビニなどでも、ファッション雑誌、料理本、ダンジョン雑誌が並んでいる。余談だが、その半数近くの表紙をスーザたちが飾っている。
少なくとも3人に1人はダンジョン雑誌を持っている時代。そんな雑誌にのれば一躍時の人となれるとも謳われている。
冒険者なら誰しもがまずは雑誌にのることを目指している。
「行動制限されそうだし、絶対有名にはなりたくないよねぇ……」
「だよなぁ……」
例外もある。兄妹にとっては有名<自由なのだから。
そのまま2人は歩き続け、目的地──アストラルに辿り着く。
☆
「「おぉ……」」
いっぱいにんげんさんがいるなぁ。
その感想を最初に抱くのも無理がないほどの量だった。
前回来たのが1年半以上前だったのもあるだろうが、やはり一番の理由は世界一難しいダンジョンということだろう。外国人もそれなりにいる。
その分D・S──ダンジョンの前で働くスタッフのことだ──も30人ほどに増えてるが、それでもなかなか回しきれない。
兄妹はそれを利用して人混みを抜け出し、アストラルの側面側の人のいない地まで歩く。
「サラちゃん、さすがに怒ってるかな」
「うーん……までも、カステラ買ってきたし大丈夫だろ」
カステラの入ったビニール袋を持ち上げながら遥斗が言う。
「えーっと……この結晶を首から外して」
「手で持ってから……」
「「テレポート!」」
2人は光りに包まれる。
☆
光が収まってくると、懐かしい光景が広がっていた。
すると目の前に光が集まり始め、少し強く光ったかと思うと、これまた懐かしい形をした妖精のようなものが現れる。
「遥斗様、紬様、はじめまして! アストラル専用イ・ティニのサラ──ってえ?! 遥斗さんに紬さん?!?! おかえりなさいいいいいいいい!!!!!!」
「おっす!」
「サラちゃん、久しぶりっ!」
サラが紬の胸に飛び込み、感動を分かち合う。実に微笑ましい光景だった。
「あ、これサラへのお土産」
「わわっ! ありがとうございます〜! っは! こ、これは──! 地上を覗き見したときに見かけたおいしそうなやつ?!」
「やっぱ妖精でも、サラちゃんも女子だよね〜!」
再会できただけでも嬉しそうにしていたが、甘いものをあげるとサラはさらに上機嫌になった。
「ま、まぁこれはあとでじっくり楽しむとして……」
「その割には視線が釘付けですが」
サラは苦悶の表情を浮かべながらも一旦亜空間収納にカステラをしまう。
「それでどうしたんですか?」
「……なぜ分かる」
「いやまぁサラだから、ですかねっ!」
あんまりすぐに本題に切り出すのも申し訳なかったので遥斗がタイミングを伺っていると、サラの方から切り出してくる。理由もなんというか、サラらしい。
少し遅れました…!
8000ポイントありがとうございます(>ω<)




