第88話.ニーナとご対面
「あー……そんなことしちゃったら、そりゃ目立っちゃうって……」
「いえ、紬を守れたのでなんの問題もないです」
「お、おう。そうか……」
ニーナは屋上から見下ろしながら呟く。
スーザはファストに入る前、攻略が終わったら大体昼頃になるだろうと予想し、事前にニーナに声をかけておいたそうだ。そして、屋上で、待っていてくれた、というわけである。
ニーナは、屋上のフェンスに肩ひじをついて、下の様子を眺めていた。ベレー帽の下から流れるショートに整えられたさらさらの黒髪が風に遊ばれる。
少し小柄なニーナにとっては大きすぎる薄茶色のパーカーと、それのせいでほとんど見えないショートパンツという服装だった。
「それで、ファストはどうだったんだ?」
ニーナはそう言いながら4人の方へ顔を向ける。美しくもありつつ、どこかかっこいい雰囲気も感じさせるその美しい顔立ちは、テレビや写真越しで見るよりも遥かに綺麗だ。
ニーナ自身もそれをよく理解しているのか、全体的にボーイッシュなコーデで揃えている。
「えっとね、ニーナさんの予想通り隠し部屋、ってわけではなかったけど、似たようなのがあったよ」
「ふふん。やっぱりぼくの予想は当たってたんだね」
「開放条件が思った以上に難しかったですけど、ちゃんと隠しダンジョンってのがありましたよ」
「ふむふむ。ちなみにその解放条件ってのは?」
「各階層で特異種──あ、大体Bランクくらいだと思うよ──を3体以上倒した後にファストを攻略する、だったと思うよ」
「まぁこれは初心者が誤って条件達成しないため、な気がしますけどね」
「なーるほどなぁ」
ニーナは終始ニヤニヤしながら話を聞いている。情報を発信する側の人間として、やはり新情報というのには心が踊るのだろう。
その後、紬とガルムがマルバツゲームをしているのを背景に、スーザと遥斗は情報を伝える。
「──といった感じですね」
「……うむ。実に興味深かったよ。ありがとな」
「元はと言えば、ニーナさんが掴んだ情報なんだから気にしなくていいって。あ、でも、恩恵のことは多分大ニュースになるだろうから、もう少し他のダンジョンを確かめてからにしてほしいな」
「おまかせあれっ! このニーナ、初心者用の情報はどんどん言っちゃうけど、上級者用の情報は自分のために使うからね!」
「あはは。頼もしいのやら、って感じですね」
ニーナは、今回の情報をちゃんと伝えてくれたお礼として、今後何か新しい情報が分かったら提供すると言ってくれた。遥斗はニーナと連絡先を交換し、この日はお開きとなった。
質問です!
休日は投稿時間早めて欲しい!とかってありますか?
あってもなくても感想で教えてくれたら幸いです!




