第84話.思わぬ助っ人
「……あー、分かったかもしれません」
「ん、何が?」
「アイツの特殊能力です」
魔法による攻撃は盾によって防がれる。そのため、魔法への耐性はあのスライムほどあるわけではないだろう。
続いて物理。スーザの──Sランクの攻撃をノーガードで食らったのだから、ほとんどの魔物は致命傷になる可能性が十分にあった。しかし、ゴブリンジェネラルは片膝をついただけ。ある程度のダメージは入ったとはいえ、かなりの硬さ。
あのスライムの耐性の物理バージョンほどはないにしろ、かなりの耐性があるように伺える。
そして、2回目のスーザの攻撃を受けても、片膝すらつかなかったこと。これは憶測だが、かなり確信に近いと思っている。
──HPが減ったら何かが起こる、どこぞやの主要ダンジョンのボスも同じような特性があったものだ。
(コイツの場合、HPが減るにつれ物理耐性が強くなるって言ったところだろ)
この2人にとっては相性が最悪だった。
たしかに遥斗は攻撃魔法を使える。が、スーザもそうというわけではない。もし同時に攻めたとしても、魔法を使う俺の方を盾で防ぎ、スーザの方は防ごうとしないだろう。HPが減っても物理耐性が強くなるだけだし、おそらくあと数回攻撃したらもう物理が効かなくなるだろう。
「──なるほど。つまり、万事休すってことだね」
遥斗の特殊能力、という言葉だけで察したのだろう。遥斗と同じ思考に至ったようだ。
「剣聖に変わったところで、名前からして魔法は関係ないでしょ?」
「そうなんですよねぇ……」
とにかく。3階層に辿り着く時点で2人以上は魔法を使えてないといけないので。
「戦略的撤退しますか」
「これに関しては逃げただけじゃない?」
3階層の入り口までたどり着けば、地上まで転移することができる。ゴブリン程度なら倒せるので、帰るのは楽だろう。
そう判断した2人は一目散にボス部屋の入り口まで走った。
「ガルムさん! 説明してる暇はないですけど、今回は撤退するのでついてきてください!」
「お、おう! なんかわからんが、そういうことらしいぞ妹ちゃん!」
「はーい!」
入り口付近で待機していたガルムと紬もすぐに付いてきてくれる。
………………。
「ちょっと待てや」
遥斗は足を止めた。
「……スーザさーん! ちょっと戻ってきてもらっていいですかー?」
遥斗より一足先に駆け抜けていたスーザにも声をかける。
「……なんでいんの?」
「きちゃった☆」
「いやそうじゃなくて」
「てへっ♡」
「紬がいるなら勝てるかもですね」
「いや諦めんな?!」
「諦めてませんが?」
「いやどう考えても──」
「こんなかわいい妹に質問攻めするなんて兄失格だと思っただけです」
「ただのシスコンムーブだったー! というか、そこで甘やかすほうが兄失格なのでは?」
「紬、状況は分かるか?」
「見てたからね!」
「んじゃ、早速行くか」
「うんっ!」
「スーザさんはちょっと待っててください」
「はーい」
「そこで無視は自覚あんな?!」
わーわー騒いでいる足手まt──ガルムは置いておき、ついにFランクパーティーが挑む。
ローファンタジー週間3位アリガットウ!
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