第74話.臨時パーティー
遥斗、スーザ、ガルムの3人はファストの前にいた。その周りではざわめきが起きていた。
「……これほんとにバレてねえよな?」
「さすがにバレないと思うけど……」
「……信じましょう」
段々と人が集まってくる中、アフロの髪型をして黒のサングラスをかけているカオスな3人組がファストに入っていった。
「ふぅ……怪しさマックスだったけど、逆にバレなかったかな?」
「こんな格好をしてるのがまさか日本トップパーティーだなんて誰も思いませんって」
周りに人の目がないことを確認してから3人は変装を解く。
「極秘情報の探索ってめんどくさすぎるだろ……」
「まぁまぁ、世界初のものなんだから我慢しようよ」
スーザがガルムを宥める。
なるべく人目を避けるために朝の9時に集まる約束をしていた。しかし、上級者の迷惑行為による炎上、ましてや日本最強パーティーの炎上は絶対に避けなければならなかったので、変装をして乗り込んだ。
かえって注目を浴びたような気もするが、強靭な刃だということがバレてなければ問題はない。
そこから3人はサクサクと探索を進めつつ、各階層で特異種を3体討伐しながら、ファストの攻略を終える。もちろん、遥斗は既に亜空間収納から剣を取り出している。
『──ファストに出現する全特異種を3体以上討伐し、ファストを攻略する、を達成しました。条件を満たしたため、達成者3名を転移させます』
すると例のごとくあの声が頭に響き、今度は3人で裏のファストに飛ばされた。
「すげぇ……マジであった……」
「ここが……遥斗くんでも苦戦したっていう……?」
「魔法効かないなんて思わないじゃないですか……」
スーザとガルムは初めての『隠し──』系統なので、いろいろな感情が混ざり合っていることだろう。しかし、そんなことをさせてくれる時間はなかった。
例の魔物、スライム・邪が現れた。
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