第69話.全特異種
ここからは遥斗のなけなしのゲーム知識の出番。というより、それしか術がないのだが……。
やはりまずは定番。大量に倒してみることにした。
──と、思い立って行動を始めてから既に1時間以上経過した。
「あークソッ! 全然関係ねぇのかよ!」
どういうわけか、最初に赤のスライムが現れてからスライムの出現量が増え、「これは当たりか!」という期待と共に赤のスライムの湧く量も増えた。おそらく20体ほどは既に倒しているはずだ。
だというのに、何か隠し部屋につながるものが手に入るわけでもなく、別の特異種が現れるということもなかった。
「一旦別の方法に変えてみるか……」
まだこの方法が違うと決まったわけではないが、これを続けるより他のことに切り替えたほうがいいと遥斗は判断する。
続いて遥斗が行ったのは、別の階層にも特異種がいないかの調査だ。
スライムキングをサクッと討伐し、2階層へと進む。ここで現れるのはEランクのオーク。昔はEランクパーティーが力を合わせてやっとと言われていたが、全体的に力が上がっている現在では、Eランクの魔物で最弱に近いだの、Eランクソロでも楽勝だの、散々な言われようだ。
しかし、今日はスライムに少し苦戦するレベルのパーティーが2つしかファスト内にいない。そのため、2階層で遥斗は全く人の目を気にせずに戦えるため、順調に蹂躙するというパワーワードがよく似合う攻略をしていた。
開始僅か5分。
「……ほんとに出た……」
一回りどころか三回りほど大きく、棍棒をなんと二刀流していた。
「いや、棍棒の二刀流は逆に弱いだろ……」
遥斗はついついツッコんでしまう。しかしそれを確かめさせることもなく、突風が特異種を貫いた。
が、なにも起こらない。
その後もう4体だけ倒してみるがなにも起こらなかったので、3階層へと足を運んだ。
オークと同じくEランクのゴブリン。Eランクなりたてのソロならゴブリンは少しきついと言われるまでグレードダウンした。
それはそれとして、群れで行動するゴブリンは大量に倒さないといけない遥斗にとって都合がよかった。そのおかげで2分ほどでムキムキのゴブリンが現れる。
もちろん瞬殺する。そしてなにも起こらない。
「えぇー……何も起こんねえじゃねえか……」
全3階層とも特異種を討伐したがなにも起こらなかった。
遥斗はスーザたちに隠し部屋はなかったと報告するために戻──ろうとしたが、どうせなのでゴブリンの特異種ももう少し倒してみることにした。
「オークも4体倒したし、ゴブリンもあと4体倒すか……」
特になにも期待せず、作業のようにゴブリンの特異種も合計5体討伐する。
「これで5体目、っと。んじゃ帰るか」
そう思い、ボスを討伐する。
──遥斗は光に包まれた。
『──ファストに出現する全特異種を3体以上討伐し、ファストを攻略する、を達成しました。条件を満たしたため、達成者を転移させます』
はい、4時投稿守れないと思ってた人は素直に手を上げなさい!(これを書いてる時刻3時55分)




